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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050412-00000009-khk-toh
縄文人に近い特徴を持つとされる東北人のルーツを骨の形状と遺伝子から解明しようと、東北大医学部の百々幸雄教授(形質人類学)らのグループが今年夏に、東北の遺跡から出土した古墳時代―江戸時代の人骨300体の調査を始める。骨や遺伝子を詳細に分析、縄文人直系の子孫とみられるアイヌ民族との共通点を探ることで、東北人の起源に光を当てる狙いだ。
日本人のルーツをめぐっては「二重構造モデル」が広く受け入れられている。日本列島に定着していた縄文人と、弥生時代以降に渡来した弥生人が混血し、現代に続く日本人集団を形成したという仮説だ。東北の人々は青森、岩手、秋田の北部を中心に縄文系の特徴を持つとされる。
ただ、東北は他地域と比べ、弥生以降の出土人骨が少なく、仮説を裏付けるような人類学的な研究はこれまで行われてこなかった。今回の東北大の調査は、仮説を検証する初の試みとなる。
ここ10年ほどの間に、遺跡から発掘された人骨が検証作業に必要な数を満たしたことなどから、着手する。
調査対象は畑内遺跡(八戸市)や坊沢遺跡(北秋田市)など東北の遺跡約50カ所で出土した人骨300体。3年計画で頭蓋(ずがい)骨や四肢骨、歯の形や大きさをデータ化し、北海道で出土した同時代のアイヌ民族や東北の縄文人の人骨などと比較する。
骨の分析に加え、細胞内で母方の遺伝子を受け継ぐミトコンドリアDNAを抽出。塩基配列を解析して、遺伝子レベルの共通性も調べる。
東北大が過去に北海道で行った調査では、江戸時代のアイヌ民族の骨や遺伝子から、縄文人と共通する要素が多く見つかった。一般に縄文人は弥生人よりも顔の彫りが深く立体的で、歯が小さいなどの特徴がある。
百々教授は「アイヌ民族は縄文人の直系の子孫と言ってほぼ間違いない。東北人とアイヌの関連を探ることで、東北人がどの程度縄文人に近い要素を持っていたかを確かめたい」と話している。
[二重構造モデル]形態人類学者の故埴原和郎氏が唱えた。約3万年前から東南アジア系の縄文人がいた日本列島に、弥生時代(約2300―1700年前)以降に北アジア系の弥生人が流入。主に弥生系の人々が西日本に、縄文系と弥生系の混血度の強い人々が東日本に、縄文系の人々が地理的に遠い北海道にアイヌ民族として残ったとしている。
(河北新報) - 4月12日7時5分更新