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兵庫県尼崎市が7年間、芦屋市が少なくとも11年間にわたり、実際には使っていない水道水の料金を阪神水道企業団に支払い続けていることがわかった。
26年も前に各市の需要予測に従って決めた「責任水量」に基づく分担金を、現実の受水量がこれを下回っても企業団に支払う取り決めがあるためで、昨年度の“水増し”負担額は、尼崎市約6億円、芦屋市約1億5000万円。これまでの総額は33億円を超える。両市とも水道事業は赤字で、市民が払う水道料金を値上げする方針だが、使っていない水代を払う一方で市民に負担増を求めることに批判が出ている。
企業団は両市と西宮市、神戸市で構成し、4市の分担金で経営。淀川水系の水を1日最大112万8000トン供給でき、この地域の需要の4分の3を賄っている。
分担金は、企業団の安定運営のため、4市の水需要予測に基づく計画水量の7割を「責任水量」とし、実際の受水量が少なくても、責任分の水代を支払う仕組み。各市の人口の見通しなどをもとに1978年にその後の計画水量を決めた。
当時、50万都市だった尼崎市は90年の人口を56万7000人と想定して必要な計画水量を計算したが、その後人口は減少し、現在は約46万2000人。水需要も大幅に減ったが計画水量は変更していない。97年以降は毎年、受水量が責任水量を下回り、昨年度は責任水量約6800万トンに対し受水量は約5830万トンで、約970万トン分を余分に負担。未使用の水代は7年間で計約21億4000万円に上る。
芦屋市も水需要の低迷に加え、95年の阪神大震災で当時8万6000人だった人口が一時は1万人以上減ったことなどから水需要も少なくなり、昨年度は責任水量約1230万トンに対し受水量は約980万トン。未使用の水代は93年度以降の11年間に約11億9000万円を負担した。
両市は「結果的には過大になったが、予測を立てた当時は人口増などで需要増加が見込まれた」と弁明。両市ほど過大な需要を見込まず、市営水道などの自己水の利用を控えて責任水量を使い切っている神戸、西宮両市に責任水量をより多く負担するよう求めている。
企業団は「計画水量は、現状では実際の使用量より多いが、施設の建て替えをする時の一時的な配水量の落ち込みに備える意味もあり、必要な量だ。負担のあり方については4市と協議していく」としている。
尼崎、芦屋両市とも水道事業の赤字解消のため水道料金値上げの方針で、尼崎市は早ければ来春にも3年ぶりの値上げを実施する見通し。芦屋市は来年度に12%程度の値上げを予定している。
企業団の議員も務める飯田浩・尼崎市議は「需要予測が過大になっているのに対応が遅れた。一度決めたことをなかなかやめられない行政組織の悪い面が表れた。こんな負担のしわ寄せに、市民は納得しないはずだ」と話している。
(2004/12/21/14:43 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041221i407.htm