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東京都が95年に世界都市博覧会を中止した際、影響を受けた中小企業に実行した融資が相次いで焦げ付き、未回収額が20億円にのぼっている。関係企業への「おわび」の意味もあって審査条件が甘く、「極めて異例な融資だった」(都産業労働局)。都が一方的に都市博を中止した事情から、積極的に回収できなかったことが焦げ付きの増大につながったようだ。
都市博は鈴木俊一元知事時代に計画され、都が開発を進めた臨海副都心を会場に96年に開かれる予定だった。しかし、95年4月に青島幸男氏が知事に当選し、翌月、公約通りに中止を決めた。出展者への補償や撤去費、中止広報の費用、入場料の払い戻しなど、都が支払った後始末のための経費は約400億円にのぼった。
問題の融資は都が都市博の工事や展示、関連品の製造にかかわった中小企業の救済策として設けた「世界都市博中止に伴う特別対策緊急融資」。中止の影響を受けたと都が認めれば融資が受けられ、都は金融機関のあっせんや利子の肩代わりもした。
融資の上限は2億円、返済期限は7年。第三者の連帯保証人は不要、4000万円以下は担保もいらないという有利な条件で計280件、約78億円が貸し出された。返済が滞った場合はその債権を金融機関から都が買い取る仕組みだった。
それが現在は3分の1以上の99件が焦げ付いている。都は96年以降、延滞料を含めたすべての債権を引き取ってきた。総額は約20億円。このうち約4億8000万円分は貸出先の倒産や行方不明などで徴収停止措置がとられ、すでに回収不能になっている。
都産業労働局によると、滞納者に納付書を送り、訪問などもしたが、担当者は「中止で迷惑をかけた事情もあり、あくまで『返済のお願い』で、厳しい取り立てはできなかった」と明かす。不良債権化した場合は都がかぶる仕組みだったため、「金融機関が積極的に回収しなかった面もあるのではないか」と話す関係者もいる。
青島知事が1期で都庁を去り、都市博の事後処理を担当した「東京フロンティア対策本部」もすでに消滅。この間、金融機関側も合併を繰り返し、「当時の詳しい事情は分からない」という。責任の所在があいまいな中で不良債権だけが残った。
現在は主税局が乗り出し、一部の債権について債務者や連帯保証人に催促する準備を始めたが、「連絡がつくのかどうかの確認もこれから。回収のめどは全くついていない」という。
(12/02 16:25)
http://www.asahi.com/politics/update/1202/006.html