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http://www.sankei.co.jp/news/041007/sha069.htm
世界自然遺産の候補地、北海道・知床半島で「知床」の名称をめぐり紛糾が起きた。半島の半分を占める羅臼町と、飛び地合併を進める中標津町が、新市の名称を「東知床市」に決めたからだ。半島の残り半分がある斜里町当局は異議を唱えたが、しぶしぶながら容認。しかし斜里町民からは「中標津は知床じゃない。名前の付け方が安直すぎる」と不満の声が漏れ、しこりが残った。
知床とは本来、半島一帯を指す総称で、歌に使われるなどして1970年代、全国に名が広まった。羅臼、斜里両町は、境界に知床連山があるため合併は困難だが、知床を「祖先から受け継いだ人類共有の財産」とした憲章を作り、名前の「取り合い」を避けてきた。
一方の中標津町は、知床の東玄関となる中標津空港があるが、知名度は低い。羅臼町との合併で、知床ブランドによる経済効果に強い期待を寄せる。「世界にアピールできる名」として「知床市」も候補に挙げた。
斜里町の午来昌町長は2町に“待った”を掛けた。「共有財産の知床の名を、一自治体名に軽々しく使うべきではない」。背景には「知床を守ってきたのは、斜里町民」という自負があった。
羅臼町の脇紀美夫町長は「斜里町とはこれからも知床を共有する関係。名を占有してしこりを残すことは避けたい」と表明、2町は新市名に「東」を付けることで精いっぱいの配慮を見せた。
それでも「知床は、もとより斜里町が使うべき名称。遠くから来た人が位置を勘違いするんじゃないか」と斜里町ウトロの土産物店の女性(45)は不安そう。町の関係者も「これまで中標津は知床のために何をしたというのか。今になって名乗るなんておかしい」と怒る。
世界自然遺産の白神山地(秋田、青森)でも、遺産地域を持たない秋田県能代市と周辺6町村が「白神市」を新市名に決め青森側が反発。全国的に知られた地域名をめぐる論争が起きている。
斜里町は当初、新市名に不満をあらわにしたが、協議の末ようやく認めた。町議会は「斜里町は、さらに知床を大切に守り育てる決意を、全国民に訴え続ける」という異例の宣言を年内にもまとめる方針で、内外に存在意義をあらためてアピールする考えだ。
(10/07 17:16)