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大雨で決壊すると大被害につながる危険性の高い淀川水系の堤防について、国土交通省近畿地方整備局は、水が浸透しにくい土を使った盛り土と、水を逃がす石組みを組み合わせた工法で補強に乗り出した。
曲がり角を迎えたダムによる治水対策からの転換と位置付け、粗い砂が多くてもろい京都府内の木津川下流など2河川の工事を優先着手。他の河川でも全国に先駆けて詳細な堤防の地質調査を進めており、緊急を要する個所を見つけ次第、順次工事に入る。
優先着手するのは、京都府久御山町の木津川右岸の800メートルと兵庫県尼崎市の猪名川支流・藻川(もがわ)右岸の350メートル。両地区で今年度、計14億7700万円を予算計上した。水の浸透を抑えるきめの細かい土で堤防の内側に盛り土する一方、浸透した水をためずに外に出すため堤防外側のすそを石組み構造にすることによって、補強を図る。
木津川の工事区間は明治時代初期、大規模な付け替え工事が行われた。その築堤に当たっては、砂の多さで近畿有数の同川の土が使われた。
戦後最大の水害をもたらした1953年の台風13号でも破堤寸前の漏水が起き、堤防がかさ上げされた。このため、堤防の高さは近畿最大級の9―7メートル。高ければ高いほど破堤した場合の被害は大きいが、急速な宅地化で堤防のすぐわきに多くの民家が迫っている。
藻川の堤防は4、5メートルだが、地盤が粗い砂でできているうえ、すぐそばにまで住宅が密集している。
同整備局は昨年度、破堤の恐れのある淀川水系の堤防計約90キロの一部をボーリング調査。木津川と藻川のぜい弱さが判明した。今年度は、約90キロ全域にわたって200メートル間隔で密度の高いボーリングを実施している。
従来の治水は、川の拡幅などの河川改修やダムによる流量制限に頼ってきた。しかし、自然環境や生態系に著しい悪影響を与えることから、河川行政はダムだけに頼らない治水対策を迫られていた。
同整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」委員・今本博健京大名誉教授(河川工学)の話「ダムに依存してきた治水の方向転換の第一歩として評価したい。だが、盛り土を基本とした工法は強度にまだ不安があり、堤防に矢板や補強板を埋め込む工法が技術的に可能かどうか検討を急ぐべきだ」
[7月9日14時54分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040709-00000106-yom-soci