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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040628-00000087-mai-soci
奈良県十津川村玉置川の玉置神社にある樹齢1000年を超える杉の巨樹群(県指定文化財)が、樹皮をはぎ取られたり、根元を踏み荒らされたりする被害に遭っている。世界遺産に登録される見通しの「紀伊山地の霊場と参詣道」内にあり、世界遺産の候補になって急増した心ない観光客によるものとみられる。深刻な事態に神社は、杉の周りに木や縄で作ったさくを設けたり、杉に近づく斜面の道を封鎖するなどの対策を始めた。
標高1000メートル付近にある約3万平方メートルの境内に生える杉は、樹齢3000年を超えるものがある。最も高いもので約40メートル、幹回りは太いもので約9メートル。県教委などによると、この標高で杉の巨樹が育つのは珍しく、理由としてこれまで、急な斜面で人があまり近寄らなかったことなどが考えられるという。
同神社を含む地域が01年4月、暫定リストに登録されて世界遺産の候補となったころから、神社を訪れる人も増加。十津川村の場合、今年5月の宿泊客は前年同期比で2割以上増えているという。神社はこれまで、一部を除き巨樹に近づくことを特に制限しなかったが、木に触ろうと近寄った人が根を踏んだり、心ない人が皮をはいだりして痛々しい姿をさらす巨樹が最近増えてきた。
世界遺産に登録されている鹿児島県・屋久島の杉も、皮をはがされたりして幹に穴が開いたり、色が変わってしまったケースがあるという。このため屋久島では、写真撮影の場所を設置するなどして、人が木に近寄らないようにするなどの対策を取っている。このことを知った同神社の職員、玉置健一さんらが、屋久島の杉を管理する屋久島森林管理署などに問い合わせて対策を学び、木や縄で作ったさくを設けたり、杉に近づく斜面の道を通行止めにするなどしている。
玉置さんは「杉も神様も誰のものでもない。後々まで多くの人に現在の雰囲気を感じてもらえるよう、協力してほしい」と呼び掛けている。【最上聡】(毎日新聞)
[6月28日3時3分更新]