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専門家に聞くチシマザクラの魅力【北海道人】キャンペーン『モンゴルに桜を』毎年出かけて植樹を7年間続け、2000年に花咲く
http://www.asyura2.com/0403/ishihara8/msg/267.html
投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 6 月 10 日 13:54:53:SoCnfA7pPD5s2
 

(回答先: チシマザクラ 千島桜(Prunus nipponica var. kurilensis)【木々の移ろい】 投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 6 月 10 日 13:25:24)


組織培養で育つ苗
センターの施設内には小さなガラス瓶に
入った植物の苗が並んでいる。特殊な寒
天に、新芽の組織を培養して増やす。

 植物の専門家の目からみると、チシマザクラはどんな桜なのだろう。
 北国の樹木のスペシャリスト、佐藤孝夫さんを訪ねて、美唄市にある道立林業試験場に向かった。佐藤さんは20年以上も樹木の研究を続け、とくに増殖技術の開発に力を注いできた。森林を守り、地球に緑を増やすのが仕事である。

 「チシマザクラはとても個性的で、花の色も木によってずいぶん違います。そして何より、寒さに強く、力強い桜です。育てるのも比較的簡単だと思いますよ」
 その性質をいかして、佐藤さんは北海道より寒さの厳しいモンゴルでも、チシマザクラの花を咲かせることに成功した。
 7年前に北海道のFMラジオ局が呼びかけた「モンゴルに桜を」というキャンペーンで、佐藤さんはアドバイザーとなり、毎年モンゴルへ出かけて植樹や種まき、管理のアドバイスなどを続けてきた。そして2000年、ついにモンゴルで植えたチシマザクラがはじめて花をつけたのだ。
 「北海道よりさらに気候条件の厳しいモンゴルでは、ソメイヨシノなどの桜はまず生きていけないでしょう。でも、チシマザクラならたくましく育ちます」


1996年
モンゴルでの植樹の様子
(写真提供・佐藤孝夫さん)

 その佐藤さんが1985年から取り組んでいるのが、樹木の「組織培養」技術である。バイオテクノロジーを用いると、優良な性質を持った苗を大量に、継続的に増やすことができる。チシマザクラやエゾヤマザクラ、ナナカマド、カツラ、シラカバなど、道内の主な樹木の培養はほとんど手がけているが、なかでもサクラの培養は一番重要が多い。

 組織培養の手順は、まず2月ころに樹木の小枝を採取する。枝についている冬芽をとり、寒天の上で培養する。この寒天、見た目はただの寒天だが20種類ほどの栄養成分などが入っていて、2カ月もすると小さな幹が伸びてくる。その幹を小さく切断し、再び新しい寒天で培養し、次々とこの作業をくりかえす。根が出て、ある程度まで育ったら苗床に移植し、あとはふつうに育てればよい。
 種から育てた場合と比べると、驚くべき早さで大量の苗ができる(計算では1個の芽から1年で783億本の苗が育つ)。「もちろん、そんなにたくさんの苗があっても、植える場所がないからやりませんけど」と笑う佐藤さん。
 「こうした技術で、美しい花木などを増やして私たちの身近な環境をより良くしたり、乾燥地でも育つ樹木を増やして地球の緑化を進めたり、さまざまな形で社会に役立つことができるのです。そのために、私たちはできるだけのことをしたいと思っています」

 培養室で育てている途中の、チシマザクラの苗を見せてもらった。
 ガラス瓶のなかの寒天から、ピンと葉をたてて伸びる小さな苗。数年後には一人前に大きくなって、美しい花や実をつけるのだろう。寒い北国でこそ元気に育つ、丈夫で、個性的な桜。佐藤さんの話を聞いていると、チシマザクラがますます可愛く思えてくる。

 ・ 北海道立林業試験場・緑化樹センター


専門家に聞く、チシマザクラの魅力

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