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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040423k0000m040105000c.html
長崎県の国営諌早湾干拓事業(諌干)を巡り、ノリの不作など有明海の異変との関連を調べる潮受け堤防排水門の中・長期開門調査について、農林水産省が実施を見送る方針を決めたことが22日、分かった。市川一朗・同省副農相は22日、福岡市内で、沿岸の福岡・佐賀・熊本3県の有明海漁連会長らと会談し「調査は現実的でない」と述べた。同省の「検討会議」は昨年12月、中・長期調査に否定的な報告書をまとめており、亀井善之農相が近く最終決定するが、3県と関係漁連はこれまで、調査の実施を強く求めていただけに、反発は必至だ。
中・長期開門調査は、干拓のために閉ざされた排水門を再開門して、環境変化を調べ、諌干が環境にどのような影響を与えたかを調べる調査。
この日の会合は「3県漁連との意見交換会」として開かれ、農水省側は市川副農相、農村振興局長、九州農政局長らが出席。漁連側は各会長らが臨んだ。
関係者によると、会合で副農相は、調査を実施した場合、調整池の水が海に長期的に流れ出し環境への影響が懸念される▽影響が出た場合、その対策に相当の工期と予算が必要▽期待される調査結果が得られる保証がない−−などと説明。「調査は現実的でない。極めて難しい」と述べた。さらに「(調査よりも)有明海再生に向けた新たな事業に取りかかる方が現実的ではないか」と付け加えたという。
亀井農相の最終決定の時期については「出来るだけ早い時期に」と述べるにとどまった。
会合で説明を受けた山崎龍馬・佐賀県有明海漁連会長は「3県の知事も、議会も、沿岸市町村も、こぞって調査してほしいと農相に要望している。それをどう受け止めているのか。国の行政感覚を疑う」と怒りをあらわにしていた。
この問題では01年12月、農水省の第三者機関「有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会」が、短期(2カ月程度)▽中期(半年程度)▽長期(数年間)−−の3段階に分けた調査を提言。同省は02年4〜6月に短期調査を実施したが、中・長期調査は白紙状態で棚上げされた。その後03年12月には同省内の「検討会議」が「開門調査をしても諌干と漁業被害との因果関係を明らかにすることは困難」と調査に否定的な見解を報告。3県などは引き続き、調査の実施を強く要望していた。【山下託史、山本泰久】
毎日新聞 2004年4月22日 21時16分