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【AERA発マネー】
1800万円、3380万円… 札束続々、なぜか「埼玉」
2004年03月08日号
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埼玉県草加市のごみ集積所で見つかった2800万円。所有権を巡る火種はまだくすぶっているが、実は過去、埼玉では「ごみ」から大金が見つかる不思議な事件が相次いでいた。
◇ ◇
まず1999年5月。越谷市の不燃物処理施設で、かんやびんなどのごみの中から1800枚の1万円札が見つかった。昨年12月には行田市の粗大ごみ処理場でプラスチックなどを粉砕中に、3380万円分の大量の紙幣が出てきた。そして2月23日に見つかった今回の草加市の2800万円。この5年間で3件、合わせると総額8000万円近くになる。
越谷市のケースは持ち主が見つからず、保管期間の半年後に市のものになり福祉の基金となった。行田市、草加市のケースでは、問い合わせが県内外から来ているが、地元警察署によると、どれも具体性に乏しく、2月27日の時点で「落とし主」は見つかっていない。
しかし、なぜ、こうも埼玉県に集中するのか。しかも、そろって、「ごみの中」から――。
●帯封のミステリー
3市とも宅地開発が今も進んでいる地域であるから、
「おじいちゃん、おばあちゃんがタンス預金した現金を家の建て替えの際、家族が知らないで捨てた」
という憶測も流れる。
一方で、興味深い話も。行田市の3380万円は、一緒に金融機関名が刻印された帯封も見つかったが、日付は15年以上も前だった。越谷市の1800万円も、当時現場に立ち会った回収業者は、
「現金は帯封がされ、30センチ四方の段ボールにびっしり詰まり、古ぼけた感じだった」
と振り返る。
草加市の2800万円に帯封があったかなどについて、草加署は詳しく説明していないが、見た印象では、新札ではなく、やはりやや古い感じの紙幣だった。
「事件」取材が長いジャーナリストの大谷昭宏さんは、帯封の日付に着目する。
「15年前と言えば、バブルの時代。埼玉県でもゴルフ場開発を巡って、札束が躍った時期です。埼玉は、警戒が厳しい警視庁管内と違い、暴力団などがこっそりとうごめくにはちょうどいい場所でもある。何らかの理由で表に出せず、家の中に置いていた現金を家人が知らないで捨てたのではないか」
という推測だ。
ところで、今回の草加市の2800万円は、古紙の中から拾って届けた千葉県八街市の自称古紙回収業者の男性(60)が「所有権」を放棄したことで、一件落着するかのように見えたが、地元ではまだまだ余波が続いている。
男性が市の指定業者でなかったこともあり、資源ごみの持ち去りに日ごろから悩まされてきた草加市は早々と「古紙は市の財産。その中から拾ったものは、市に所有権がある。窃盗容疑で告訴も辞さない」と主張。
●次は県の「出番」?
このニュースが報道されると、市役所には「市はせこい」「正直に届けたのに大人げないことをするな」などという抗議の電子メールや電話が殺到した。男性が所有権を放棄してからも抗議はおさまらず、「2800万円だから注目された。たとえ空き缶一個、新聞紙一部でも同じ考え」と市は困惑している。
さらに肝心の所有権の行方も市の思惑通りにいくかは微妙だ。
市は今後、草加署に所有権主張の根拠を示す予定だが、「ごみの所有権」や「集積所の管理」には不明確な点もある。札束があった場所も厳密には特定できておらず、法律学者の中には「市の所有権主張が通るとは限らない」という見方もある。
遺失物法は所有権が確定されない場合、拾得物は都道府県の帰属になるとしている。
埼玉県が手ぐすね引いて待っているかもしれない。
(東埼玉支局 前田基行)
(03/17)
http://www.asahi.com/money/aera/TKY200403160267.html