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体験と言葉
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投稿者 愚民党 日時 2004 年 6 月 14 日 01:37:25:ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: Re: 表現をめぐる個人基点と普遍(民族主義とインターナショナル) 投稿者 ジャック・どんどん 日時 2004 年 6 月 11 日 07:31:43)

 ジャック・どんどんさん。ありがとうございました。
 
 ジャック・どんどんさんのお言葉から、体験と言葉を強く感じました。
 おれはもう51歳の酔っ払いですので、説経くさくなることは、あらかじめ、ごめん。
 
 やっぱり体験と言葉だと思うんですよ。
 
 体験と言葉(批評における発見)の往復関係だと思うのです。
 批評とか思想または歴史とか現代世界への問題意識といいますか、ゆえに書物を読むのですが
 日本とは徹底した具象の強度ですから、抽象なる書物も読まないと
 日本も発見できないわけです。日本とは日常の営為こそがテキスト存在ですから。
 
 自分は7年前に遊行フォーラムというところに参加いたしました。
 ほとんど網野史観です。
 藤沢にあります一遍上人時宗総本山である遊行寺が場所でもありました。
 
 昨年、おれは舞踏公演のために、京大西部講堂付近へ宣伝のために歩いたわけですけど
 「百万遍」がいかなる意味かを、おれなりにつかむことができたのは
 一遍聖絵の世界に触れたからです。これも体験です。
 7年間にわたり遊行フォーラムで網野史観とか一遍聖絵の勉強会に参加してきました。
 
 一遍とは念仏を一遍唱えることです。
 百万遍とは念仏を百万唱えることです。藤沢遊行寺での一遍に触れ、京大の「百万遍交差点」の位置が
 おれなりに発見できたわけです。
 
 企業の世界で「体験主義」というものは、ほとんど戦力になっていないと思います。
 それは企業が戦争論を主体化していないからです・
 また体験というものは過去のものではなく、現在的な言葉に置換できるのですが
 体験を検証する批評装置と思想装置が起動しなくては、現在性を獲得できません。
 日本とは具象による現在的日常の営為ですから。
 
 体験の英雄物語とは自己完結したナルシズムですから、現在現場に通用しません。
 不断なる批評による検証とおのれの原点を確認する思想的とらえかえしがない企業は
 まず、商品競争から敗退していきます。
 結論から言いますと、「体験」というものは日常の批評装置によって洗われないと世間様に通用しません。
 
 おれの親方は30代の若い人です。
 おれは馬鹿ですから、いつも仕事で怒られております。
 「呼吸を合わせろ!」「相手が何をやっているか、よくみろ!」
 「呼吸を合わせようと思わなかったら一生合わないぞ!」
 「先を読め」「仕事のために頭をつかえ」
 職人の世界でギャラをもらうことは、緊張の連続です。
 日本にはまだイタリアの職人世界が起動しております。そして職人どおしの仕事とは身体の集合呼吸です。
 
 むずかしく考えたら仕事は失敗します。シンプルこそベストだからです。
 
 また体験とは、ほとんど言葉に置換できない重みをもっております。
 体験を言語化できない容量とは90%です。
 
 われわれが読書するのは、おのれの体験を言葉の具象へと立ちあがらせるためでは、ないのでしょうか?
 
 体験とは言語化が困難な暗黒身体のテキスト存在です。体験とは身体です。
 しかし、おのれの体験を言語化できぬものは、敗退します。
 
 ゆえに庶民はおのれの体験のみを話題にしているのです。
 体験を相手との話題にあげ、批評装置を起動させているのかもしれません。
 
 幼児はひたすら人間の顔をみつめております。
 顔表情という情報のみを習得しているごとくです。幼児でさえすでに、批評装置が起動しております。
 まさに必死な体験です。おのれが生存するための批評装置です。
 つまり体験とは批評でもあると思います。
 
 ジャック・どんどんさん。ありがとうございました。


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