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04年度の世界報道写真コンテストでも審査委員長のエリザベス・ビオンディ氏は選考終了後、「議論の中心になったのは、イラク戦争の写真だった」と述べました。
オランダに本部を置く世界報道写真財団が1年間に撮影された報道写真を対象に行うこのコンテストは、今年で47回目。世界124カ国、4176人のカメラマンから、6万点以上の作品が集まりました。いずれも過去最高の数字です。
大賞を受賞したのは、AP通信の仏人カメラマン、ジャンマルク・ブジュ氏がイラク戦争中の03年3月31日、ナジャフ近郊の戦争捕虜収容所で撮影した、4歳の息子を抱きしめるイラン人男性の写真です。同じ4歳の娘を持つブジュ氏は、撮影中、何度も「もし娘が同じ状況に置かれていたら」と考えながら、シャッターを押し続けたそうです。
「この写真には銃も兵士も血も写ってはいません。でも私にとっては、戦争の真実が映し出された写真なのです」
ピューリッツァ賞を過去に2度受賞しているブジュ氏は、このように話しています。他にも入賞作品にイラク戦争の写真が目立ちました。
ボストン・ヘラルド紙で活躍する高橋邦典さんはスポット・ニュース部門で3位に入賞しました。
日本人
の入賞者は昨年に続いて2年連続、高橋さんの作品は、リベリアで反政府勢力の民兵を銃撃する政府側の兵士を撮影した写真でした。
世界中のカメラマンが、命の危険を冒しても、伝えようとした現代世界の様々な姿が、約200点の入賞作品を通して会場によみがえります。 (05/28)
http://www.asahi.com/event/exhibition/TKY200405280211.html
AP通信のカメラマンでパリを本拠とするジャンマルク・ブジュが撮った写真をみて衝撃を受けた。
写真は2003年3月31日、つまり去年のイラク戦争中に撮られたもの。
ナジャフ近郊の捕虜収容所で、4歳になる男の子を(泣いている)を抱きしめているイラク人捕虜の写真だ。
捕虜の頭には、今ではすっかり既視感のある頭巾(アブグレイブで虐待されたイラク人に被せられていたような)がすっぽりと被せられている。
有刺鉄線越しの写真が語る含意。
静止した写真は、出来事の瞬間を定着させる。動く動画はテレビ画面でわかるように消えてしまうのだ。写真は残る。動画は消える。この関係は、活字メディアとテレビメディアの関係ともパラレルだ。
「すべてはカメラの前で起きた」とは、コピーライターの考えたフレイズなのかもしれないが、本当のところは、ほとんどの出来事はカメラの前<以外で>起きているのであり、人々の想像力を動画のなかに封じ込めることは行ってはならないことなのだ。
写真にかなわないなあ、と思うのは、1枚の写真から想像力が<外へ、外へ>と広がっていくことである。その一方で写真の詐術を意識することも忘れてはならない。それは写真のもつ<定着>作用があまりにも強烈だからだ。
今月30日の政権移譲のタイムスケジュールを前に、イラクに暫定政権が誕生した。アメリカの本格的な占領はこれから始まる。
「大中東構想」は、イラクを基点に中東の地図を塗り替えるという驚くべき構想かも知れぬ。