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ちなみにアラビア語・アラム語・ヘブライ語はいずれもセム語族に属する「親類同士」
http://www.asyura2.com/0403/idletalk9/msg/758.html
投稿者 傍観者A 日時 2004 年 6 月 02 日 08:26:49:9eOOEDmWHxEqI
 

(回答先: Re: なんでタルムードはアラム語なのでしょうか 投稿者 ロシアチョコレート 日時 2004 年 6 月 01 日 23:41:04)

日本の外国語教育のメッカともいうべき東外大のアラビア語専攻のサイトにもこうあります。

http://www.tufs.ac.jp/common/fs/asw/ara/index.html
http://www.tufs.ac.jp/common/fs/asw/ara/arabiago.html#top

1)アラビア語の系統について 

1-1)アフロアジア語族について

 アラビア語は、大きく分けると、アフロアジア語族(あるいはアフラジア語族)に属する言語です。

 この語族は、以前は「セム・ハム語族」あるいは「ハム・セム語族」と呼ばれていましたが、今では「アフロアジア語族」と呼ぶ方向にかわりつつあります。その理由としては、まず、セムとハムは、旧約聖書の登場人物名、すなわち伝説上の人物の名前に由来する名称で、客観性に欠けるという点があげられます。

 もうひとつ、セム語とハム語を対等に並べることのアンバランスです。研究が進んだ結果、ハム語に属する各言語の親戚関係は、セム語内の言語同士の間柄より、もっと遠いことがわかってきたのです。つまり、ハム語の中の下位グループひとつひとつが、セム語族全体と対等に並べられるくらいの関係だったのです。

※ちなみに、ハム語とされる言語には、古代エジプト語(ヒエログリフで書き表された言葉)やその末裔であるコプト語(エジプトのコプト正教会の典礼用言語)といったエジプト諸語、ベルベル諸語、ソマリ語(クシ諸語に属す)、ハウサ語(チャド諸語に属す)などがあります。

 というわけで、「セム・ハム」ではなく、「アフロアジア」という名称が使われるようになりつつあります。


1-2)セム語族について

 このように「セム・ハム語族」という名称は使われなくなりつつありますが、「セム語族」という名称は(伝説上の人物の名に基づいてはいるわけですが)、依然として用いられています。そして、セム語族に属する言語の間には、確固たる系統関係を見ることができます。

 セム語族は、通常、3つの派に大別されます。(北)東セム、(南)西セム、南(東)セムの3派です。

 このうち、東セム語に属するのはアッカド語。楔形文字で書かれたハンムラビ法典は有名ですね。しかし、このアッカド語はすでに死語となっており、現存する東セム語はありません。

 西セム語に属するのは、ヘブライ語や、キリストの話されたアラム語などです。

 そして、アラビア語は南セム語に属します。ほかに南セム語に属するのは、南アラビア語や、エチオピアのアムハラ語などなどがあります。なお、南アラビア語は、アラビア語とは別の言語です。普段、私たちが「アラビア語」と呼んでいる言語は、厳密には「北アラビア語」なのです。

 これら、セム語族の特徴として、3つの子音からなる語根からさまざまな単語を形成するということがあげられます。例えば、アラビア語では、k-l-m という語根から、kalimah(単語)、kalaam(ことば)、mukaalamah(通話)、takallama(話す)、などの単語が作られます。


1-3)周辺の言語について

 前項で述べたように、アラビア語とヘブライ語は、南セム語と西セム語という違いはあれ、同じセム語に属す、親戚同士です。古典ヘブライ語は、ユダヤ民族離散(ディアスポラ)により、久しく日常語として使われなくなっていましたが、19世紀の終わりから20世紀にかけての、エリエゼル・ベン・イェフダの努力により、現代ヘブライ語として再生しました。現在では、アラビア語と並んで、イスラエルの公用語となっています。

 では、アラビア語と、その他の中東の言語との関係はどのようなものなのでしょうか?

 ペルシア語は、アラビア文字と良く似た文字でかかれています。アラビア文字にいくつか文字を追加して、ペルシア文字を作ったのです。そんなわけで、文字は大変良く似ているのですが、ペルシア語はインド・ヨーロッパ語族に属するため、系統からすると、アラビア語よりも英語やフランス語に近いのです。

 トルコ語も、昔はアラビア文字をもとにした文字で書かれていましたが、今ではローマ字で表記されています。系統的には、アラビア語ともペルシア語とも異なり、アルタイ諸語の中のチュルク諸語(あるいはチュルク語族)のひとつです。アルタイ諸語が「語族」であるとは、いまだ論証されていませんが、日本語とも類似点の多い言語のグループです。

 系統は違うものの、どちらの言語にも、アラビア語からの借用語が多く取り込まれています。なお、東アフリカの主にタンザニアやケニアで話されるスワヒリ語(バントゥー語に属する)でも、アラビア語からの借用語がたくさん使われています。

※以下、順次、書き加えていきます。ただし、構成が変更になることもあります。

他にもこんなところも参照。

・アラビア語ちゃんねる
http://arabic.gooside.com/

しかしあれほど血みどろの対決をしているアラブ人とイスラエル人(ユダヤ系)とが、言語的には同じセム語族(アフロアジア語族)に属する言葉を使う、いわば「親類同士」というのは、やりきれない思いがします。

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