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巨艦銀行に冷静な欧米の視線 三菱東京、UFJ経営統合
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004071500209&genre=B1&area=Z10
「日本の過去の銀行再編には、内部対立や非効率な経営資源の割り当てなどマイナス要因があった」−。総資産で世界トップの巨艦銀行誕生となる三菱東京、UFJグループの経営統合の動きに、欧米系格付け会社アナリストは冷静な視線を向ける。
資産規模や利益面で圧倒的な国内首位に立つ新グループだが、「総合金融業」の面では法人向けの証券業務や保険業務で戦略を描ききれていない。過去の金融再編で繰り返された戦略性の弱さが、今回の「メガ統合」にも手放しの評価が得られない底流にある。
三菱東京は傘下に旧国際証券の流れをくむ三菱証券を持つ。UFJも旧太平洋証券など6社が合併したUFJつばさ証券がある。両証券会社は統合する方針だが、「法人向け取引業務では、業界トップの野村証券や、三井住友フィナンシャルグループと関係の深い大和証券SMBCには遠く及ばない」(大手行幹部)との見方が多い。
みずほフィナンシャルグループも、日本の産業金融を支えてきた旧日本興業銀行の強みを受け継ぐ、みずほ証券に重点的に人材を投入。大企業取引中心のみずほコーポレート銀行と連携して債権の流動化などで着々と実績を上げている。
グループの収益強化の核となるべき法人向け証券業務で、三菱東京・UFJグループの具体像が見えないのが実態だ。
保険戦略もこれからの課題だ。三菱グループの東京海上火災保険や明治安田生命保険は三菱東京と一定の距離を置いている。こうしたこともあり、傘下銀行の東京三菱銀行はカナダの金融グループ傘下のマニュライフ生命保険と資本・業務提携するなど、個人年金保険分野の開拓などで独自路線を進めざるを得ない状況。
損害保険分野では、UFJでも旧三和、旧東海銀行の合併以降、旧三和と関係が深かった日本興亜損害保険との関係が希薄になってきている。「三井住友フィナンシャルグループは、三井住友銀行と三井住友海上火災保険との間での結びつきが強い。新グループは保険分野でも戦略を練り直す必要がある」と外資系アナリストは指摘する。
UFJとの経営統合で、三菱東京は弱点だった個人取引分野で、信販会社最大手の日本信販、24時間稼働のATM(現金自動預払機)などを手に入れる。統合による規模利益を確かなものにする次のステップとして、証券や保険分野で外資との大掛かりな提携を含む戦略の練り直しが必要となってきそうだ。
数々の合併・統合を繰り返し、急速にグループ化が進んだ金融界。こうした流れの究極の姿とも言える今回のメガ統合が、明確な総合金融ビジネスモデルを確立できるかどうかに、日本の金融全体の浮沈がかかる。(共同通信)