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田住治之しあわせ経営塾
014 パレートの法則「意味ある死に筋、意味ない売れ筋」(030718)
パレートの法則
正式には、パレート最適の「2・8の原則」のことですが、
商売においても、不思議なくらい、よく当たります。
この言葉を、何度か聞かれたことがあると思いますが、
「全体の2割の商品が、8割の売上をつくる」
という法則です。
でも、この法則が分かったところで、
対処法と活用法が分からないと、
全く意味がありません。
「残りの8割の商品が売れていない!」と、
無闇に、死に筋商品をカットしていくと、
更なる、死に筋商品が生まれ、
売上下降線での、パレートの法則に陥ってしまいます。
売上上昇線を描く、パレートの法則をどう作り上げるか?
上手な「2・8の原則」とのつきあい方について、
今から述べていきたいと思います。
本当に、商売上手の人は、
「死に筋カット」の上手な人と言えるかもしれません。
意味ない死に筋を、早くカットして、
「意味ある死に筋」を残し、
また新たな「死に筋?」をすぐに導入していきます。
こうすると、商品の新陳代謝が行われて、
売上は上昇線を辿っていきます。
この「意味ある死に筋」とは一体何でしょうか?
静岡県に有名な大型種苗店があります。
今から、10年前に、初めて訪れた時、
店の入り口に、大きな看板がありました。
「売れな筋、客遠方より来る」と書いていました。
ここでいう、「売れな筋」という造語は、
競合他店が、死に筋と判断して、
「カットしてしまった、目的買いの商品」のことを指しています。
もう少し詳しく説明しますと、
ほとんど売れない商品だけど、
その商品がないと困ってしまう客がいて、
その客が、いろんな店を探し回っている場合がこの例に当たります。
この店は、それらの商品を、数々拾い集めているのです。
例えば、時期はずれだけど、ニーズがあるもの。
・サツマイモ苗(植え時は5月、それを7月まで引っ張って売っている)
他店では、年に1個しか売れないようなもの。
・特大受け皿、もち押し切り機、最長極太の支柱など
客は、不思議なことに、こういうものだけを買って帰りません。
ここに置いている、一般的な売れ筋商品も一緒に買って帰ります。
客を来させれば、勝ちなのです。
何で来させるかの手法として、
この「売れな筋」を使っていたのです。
もう一つの事例です。
横浜で日本一の大型ペット店があります。
そこの担当者は、現場で、「客と商品の一致」を観察しています。
例えば、犬のおやつの○○ガムを2ヶ月に1回、
5個買いに来る客がいる。
△△社の、猫の缶詰マグロ味を2ヶ月に1回、
20個買いに来る客がいる。
この場合、
○○ガムでないと、この飼い主の犬は食べません。
△△社の缶詰マグロ味でないと、この飼い主の猫は食べません。
したがって、ある1ヶ月の単品データが、
0個と出て、「カットせよ」の本部からの指令が出たとしても、
客の顔が見えているこの担当者は、絶対にカットするはずがありません。
このように、余り売れていないが、
客が少数でも、しっかりついている商品は、
「意味ある死に筋」なのです。
さらに、「売れ筋商品」を引き立てる「死に筋商品」も必要です。
主役のスターだけでは、ドラマの脚本は書けません。
脇役がいて、スターが輝いておれるのです。
売れ筋商品が安く見えるように、
売れ筋商品の隣りに、高単価商品を置きます。
売れ筋商品がお買い得に見えるように、
売れ筋商品の隣りに、大きなサイズの商品を置きます。
売れ筋商品に遠くからでも、客の目が行くように、
売れ筋商品の近くに、派手な色の商品、おもしろい話題の商品を置きます。
これらの、高単価商品、大きいサイズの商品、
派手な色の商品、おもしろい話題の商品は「死に筋商品」かもしれません。
しかし、売れ筋商品に貢献している「意味ある死に筋商品」なのです。
でも、これらの死に筋商品が増えすぎても、
経営の足を引っ張ります。
基本的には、死に筋はカットすべきです。
POSデータで月に1個も出ていない商品はカットしていきます。
しかし、同時に、敗者復活戦を行います。
現場を深く、観察している優秀な担当者に、
会議に入ってもらい、
カットしてはいけない商品をリストアップしてもらいます。
こういう時には、どうしても、現場感覚が必要になってきます。
「意味ない死に筋」と「意味ある死に筋」の違い、
わかってもらえましたでしょうか?
次に、「意味ない売れ筋」の話をします。
単純に言って、儲からないものは、意味がありません。
幾ら売れていても、粗利率も低くては、販売管理費も出てきません。
その商品が、独自に集客してくれているなら、納得できますが、
代用品でも可能な商品だとしたら、
カットしてもよい売れ筋商品と言えます。
儲かる売れ筋商品は、これこそスターです。
スターには、いい舞台も、いい舞台衣装も必要です。
そうしないと、スターは怒るはずです。
したがって、ボリューム、陳列テクニック、照明、装飾物、
専用ポスター、専用POP、専用什器が必要なはずです。
でも、大抵の店は、儲からない売れ筋商品と同じ扱いをしています。
このように、意味あるものだけを仕入れて、品揃え展開していこうとすると、
バイヤーに思想、論理が必要になってきます。
客と店のことがわかった、品揃え設計者にならなければなりません。
安く買ったことだけで、満足しているバイヤーでは失格です。
売れて、儲かり、しかも楽しい店にする力量を、
見せて欲しいものです。
このように、パレート法則を、論理を使い判断し、
上手に活用してほしいと思います。
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