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(回答先: 係数を操作すれば、ある程度恣意な結果を出すことが可能とちゃうか? 投稿者 ジャック・どんどん 日時 2004 年 6 月 26 日 20:16:37)
計量経済学のモデルというものは、自然科学における定数の推計とは異なり、恣意的に変動させることが可能な社会事象を対象とするので厳密な意味では将来推計には向いていないものだと考えています。
実際の作業では、人口動態統計から得られるある年の人口分布を基礎として、各齢別の出生率や死亡率、死亡原因、社会情勢や意識構造・社会構造などの変化をシナリオの形で政策変数(先決変数)として推計(というより「大雑把な推測」に近い)し、「各要因がシナリオとおりに展開するならば」との前提つきでシミュレートする訳ですから、推計値は一つではなく、最大値・最小値・中間値など複数で予測されるのが普通です。
審議会などでは、これらの数値を基に「腰だめ」で「まぁこれくらいなところが妥当だろう」として、発表原案が作成され、その後に政策的な「微調整」が加えられることもあるので、数値はあくまで「参考値」であると考えるべきです。
計量経済モデルは、シナリオをいろいろと変えてみて、どのような要素(政策)を加味すれば期待される値になるのかをシミュレートする場合に限って有効となるような性格のものであると考えています。