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寺島実郎の‘発言’
THE WORLD COMPASS 2004年6月号 連載「INSIGHT」
港湾の競争力の重要性
2003年の世界の港湾のランキングを見ると驚かされる。コンテナの取扱量である。かつて、日本の港湾が上位に名を連ねていたが、神戸は1980年の4位から29位にまで落ちた。横浜は12位から28位へ落ち、東京は18位から17位で横ばいだが、日本の港で15位以内はなくなった。
現在、世界1位は香港、2位シンガポール、3位上海、4位深 、5位釜山、6位高雄となっており、いわゆる「大中華圏」の港が上位6港のうち5港を占めている。いかに中国を中心とするアジア太平洋の物流が増えているかがわかる。
気掛かりなのは「釜山トランスシップ」の増大である。太平洋を渡る物流において、釜山がハブ化しており、特に西日本方面の物流は釜山で積み替えて太平洋を渡る形となってきている。背景に、日本の内航船のコスト高、港湾の非効率があり、どんどん日本の港湾が空洞化しているのである。
日本の製造業の国際競争力の劣化の要因の一つには、港湾の競争力の劣化がある。ようやく日本でも「スーパー中枢港湾の選定」という国土交通省での作業が進み、大型コンテナヤードを装備し、アジアの主要港湾を凌ぐ港湾の育成に動き始めた。私自身も選定委員会に参画しているが、中間段階では東京湾(東京港、横浜港)、伊勢湾(名古屋港、四日市港)、大阪湾(神戸港、大阪港)の広域連携を前提にしたスーパー中枢港湾化が決定している。福岡港、北九州港の連携を前提としたスーパー中枢港湾化も、日本海物流の増大を睨んで今後の課題とされている。
港湾のIT化も重要で、RFID(ICチップによる次世代バーコード)を利用した物流管理の高度化やセンサー技術によってコンテナの中身の安全性をチェックするシステムの確立などが必要とされる。この分野でのR&Dへの参画は、将来の総合商社の業態にもかかわる重要なテーマでもある。
http://mitsui.mgssi.com/terashima/0406mgssi.html