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2004.6.15
Q君への手紙(11)――『公共事業必要論』を書き終えて
酒井吉廣さん(在米の研究者)からの学ぶべきコメント
「われ以外皆わが師」(吉川英治)
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Q君。『逆プラザ合意』(2003年6月、オーエフ出版刊)ですぐれた見識を示した酒井吉廣さん(米戦略国際問題研究所所属の研究者、ワシントン在住)より、私のウェブサイト(6月11日の「国民の意識に染みついた固定観念と世間の冷たさ」)についてすぐれたコメントをいただきました。酒井さんの了解をいただきましたので、以下に紹介します。
《「国民からの借金でつぶれた国はない」というのはまったくその通りです。
ただ、「財政赤字で国が破綻する」という言葉との間に、言葉のマジックがあるように思います。
すなわち、
(1)日本国政府による日本人からの借金とは、日本人による日本人への借金である。
ちなみに、借金の理由は、「政府が日本人のためにする事業等が税金だけでは賄えないため」、しかし「増税はしたくなかったため(すぐに国民に問題がわかる)」とも考えられます。
(2)従って、日本人は自分自身に貸し付けた金を失うだけに過ぎないので、自分のお金を失うだけで、日本人が構成する日本国がつぶれることは絶対にあり得ない。
(3)しかも、まだ、日本人は全体として、資産の方が債務より多い(当たり前のことですが)ですし、日本国も、外国との関係では巨額な債権国ですので、つぶれるはずはありません。
次に考えるべきは、もし、財政赤字で国が破綻すると、日本人はどうなるか、です。
(1)普通なら、国民である日本人は、日本国政府への債権者なので、借金の取立てをする。
(2)ということは、借金でつぶれるのは「日本政府」である。
要するに、政策をしている人々が責任を取らされることになる。
(3)すなわち、国民である日本人は(企業のように考えれば)債権者集会を開いて、日本国をどう立て直し、債権をどう取り戻すかを要求することになる。
(4)ここで重要なことは、国が破綻するかどうかは、現在既に巨額な借金となっているものを、事実として認識するかどうか(帳簿上のこととして問題を議論するのか、帳簿上の数字を事実認識して、これからどう回収していくかと具体的に考えるか)の違いで、既に、現時点では、国民が損をしていることに変わりはないということです。
(5)国民が恐れることは何もないのです。
ところで、
(1)一部業者のために土木・建設業全体を悪者にするというのはおかしな話です。
また、発注側の政府関連部署にも言い分があるはずですので、それも聞く必要もあります。
(2)なお、過去から現在までの統計をみても、倒産が最も多いのは土木・建設業界であり、彼らも十分に今の不況のあおりを受けている。その意味では、土木・建設業者は業界全体として、他の日本人と特段異なる状況にありませんね。》
Q君。以上が、私の「国民からの借金でつぶれた国はない」との主張に対する酒井さんのコメントです。
酒井さんは大変すぐれた研究者です。鋭い分析力と豊富な知識の持ち主です。
もしも日本のマスメディアで経済評論の仕事を始めれば、最近売り出し中の人気エコノミストや経済学者は、あたかも太陽が昇ったあとの星のように日本国民の視界から消えてしまうのではないか、と私は思っているほどの逸材です。
酒井さんは元日銀マンですが、「国民からの借金でつぶれた国はない」との私の主張を、補充し、緻密な論理で裏づけてくれました。感謝します。