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増田俊男の時事直言!
bQ52号 (2004年5月31日号)
http://www.chokugen.com/opinion/frame_new.htm
◆第一の罠:1991年バブル崩壊
1987年、一日売り上げ7万円の八百屋さん夫婦に銀行員が来て、8千万円貸しますからビルを建てなさい。一階を店にして二階、三階をアパートにすればいいと。8千万円、鉄筋のビル、夫婦には信じられないことだった。
1988年丸八ビルが完成した。そして1993年、2年間銀行返済を怠ったため丸八ビルは競売に掛けられた。同年の大晦日、夫婦は町から消え去った。
1985年のプラザ合意には円高と邦銀の過剰貸付を促進し、Japan moneyのアメリカ買いを促す狙いが隠されていた。八百屋さん(国内)だけでなく、邦銀はアメリカへの金融資産(預金、株等)と不動産や企業への直接投資を支援した。「2002年、あるゼネコンが100億円で買ったLAの貸しビルが元のオーナーに1億円で競り落とされた」(アメリカに99億円を合法的に奪われた)という結果に終わった。
日本の恒常的貿易黒字で増え続けた余剰資金が銀行に蓄積された1998年4月、アメリカの圧力で橋本内閣は金融ビックバンを実施。結果、外貨預金ブームが起き毎月兆円単位で日本から資金がアメリカに流れた。
アメリカの株価と不動産は1991年に大暴落、邦銀は海外と国内合わせて約300兆円の不良債権を背負い込むことになった。その後12年間の企業努力と国民の税金でやっと大手銀行グループは2行を除き、「2005年4月までに不良債権を半減させる」という竹中金融担当大臣から課せられた処理目標を達成した。
ではなぜ竹中大臣は2005年にこだわったのだろうか。
◆第二の罠:邦銀の中国投資のタイミング
アメリカの金融機関は邦銀が不良債権で国際金融が制限されている間に中国投資を拡大、中国経済の成長と共に多大な利益を得てきた。「現在中国経済はオリンピック需要で過熱化気味、2006年をピークに落ち着きを取り戻し、2008年のオリンピック以後はソフトランディングで下降線、2010年の上海万博で完全にバブル崩壊(ハードランディング)」。このトレンドは今やマーケットの常識。
ところが、国際BIS規定(自己資本率8%以上)を達成した邦銀は、今競って中国進出を急いでいる。アメリカ銀から中国債権を買い、中国国立銀行保証の新規プロジェクト融資を拡大している。やがてアメリカ銀からの債権は紙くずになり、新規融資先も返済不能に陥るのは決定的。トランプでいうならアメリカ銀は先に上がり、邦銀がババを引かされること。
40%以上の(潜在的)不良債権を抱えている中国国立銀行の保証など百害あって一利なし。2010年までに間違いなく邦銀はまたもや数百兆円の不良債権を抱えることになる。先のバブルではアメリカに、今度は中国にJapan Moneyが奪われる。
今の若者は2010年から不良債権返済と4人に1人のお年寄りの面倒を見ることになるのを知っているだろうか。
不良債権で弱体化した邦銀に対し金融監督庁は監査を強化、ムーディーズは格付けを下げ、株価下落で資産減に追い込み、公的資金(税金)を注入して国有化、産業再生法(三角併合法)適用で、アメリカ銀は輪転機で印刷した株券で邦銀を買いまくる。
現実を直視すると日本国民を罠に掛けているのはアメリカだけではなかった。日本国政府も共犯だった!
選挙前に小泉構造改革の恐ろしさをもっとよく知ろう。
◆日本の政治家や官僚は日本の為に政治を行っているのではない。それは自分の利益とアメリカの言いなりになることによってアメリカの信任が得られるからだ。日本の政治家が国民の方を向くときは選挙の時だけだ。その選挙も棄権が増えれば僅かな後援会組織で当選できるから3S政策で国民を政治無関心層を増やしているのだ。