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二木啓孝(日刊ゲンダイ)、紺谷典子(経済評論家)による年金問題の議論の核心部分 [色平哲郎氏]
http://www.asyura2.com/0403/hasan35/msg/356.html
投稿者 なるほど 日時 2004 年 5 月 29 日 04:03:47:dfhdU2/i2Qkk2
 

●色平哲郎>「年金問題の核心」以下、二木啓孝(日刊ゲンダイ)、紺谷典子(経済評論家)による年金問題の議論の核心部分、、、紺谷さんによれば日本の年金はけっしてパンクしていないとのことです  いろひら拝
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紺谷:霞ヶ関情報を信じて今のような流用をこのまま続けていったら、パンクすると思う。しかし、きちんと立て直して本物の改革をすれば、保険料率など上げなくてもちゃんと上手くいくはず。
今、積立金は147兆円だと政府は言っているが、実際にはあと80兆円あるのを隠している。公的年金には厚生年金・国民年金・共済年金の3つがあり、積立金は、国民年金の10兆円と厚生年金の137兆円だとしている。しかし、先ず共済年金の積立金50兆円をすっぽり落としている。そして厚生年金には、137兆円のほかに代行といって企業に預けている分があり(今、それの返上が始まっている)、それが30兆円ある。政府は一方、給付は40兆円もあると言っている。そこには共済年金の分も含めている。要するに整合性のとれないデータを出して、実際以上に「危機だ、危機だ!」と騒いで、保険料の値上げと給付の引き下げを納得させようとしている。もっとも、これは隠している内にも入らなくて、調べればすぐにわかる事をマスコミが調べていないだけのことだと思う。
高齢化社会になった時のために高すぎる保険料を取ってきたからこそ、積立金が現在あるのであって、黒字なのだ。ところが、今度の改革ではその積立金を使わないことにしている。いつ使うのかというと、逆ピラミッドの高齢化社会ではなく、既に本来のピラミッド型に戻っているであろう2050年になってから使い始める予定である。それは今から百年後の2100年になっても、まだ百数十兆円もの積立金が残るような使い方なのである。
岩瀬達哉さんという年金問題を5年も追いかけてきている人が「年金の悲劇(老後の安心はなぜ消えたか)」という本の中で面白い話を紹介している。
フランスやドイツが、日本の積立金というのは高齢化対策として素晴らしい制度だと思って、視察に来た。そうしたら、「なんの事はない。単に厚生官僚の利権の巣になっているだけじゃないか!」と呆れ、フランスの首相の諮問委員会では、「日本の年金の積立の真似だけはしてはいけない」ということになり、ドイツでは、「日本の積立金のことを知るにつけ、我々は何をしてはいけないかを学んだ」と言っている。つまり積立金は、高齢化社会に備えてずーっと取り過ぎてきた掛け金であるにもかかわらず、それをずーっと温存して、自分たち(政治家・官庁)が勝手に使えるお金としようということである。グリーンピアに関しては騒がれているが、あれは4000億円たらずで、他にもう10兆円くらい無駄使いしてしまっている。例えば、公用車や、社会保険のデータがどこでも繋げられるようにと導入した全国ネットのオンラインなど。本来なら社会保険庁の経費なので全額税金で出すことになっているが、積立金から出している。こういう事をさせているのは、実は財務省である。財務省が自分たちの財政支出をしぼるために、「いいよ、やっても」と言っている。
二木:この社会保険庁のデータシステムというのは、めちゃくちゃ古い信じられないような物で、莫大な経費を使って入れている。NTTデータシステムと他2社くらいから買ったものである。自民党の若手の平井氏・渡辺氏が「何でこんなに古い物を使っているんだ」と責めたが、ほとんどニュースにならなかった。
紺谷:1998年の財特法で積立金から流用しても良いということにした。その時の大蔵大臣は、橋本総理の時だったので三塚さん。また、1998年以前にも同じような事が行われていた。厚生年金保険法とか国民年金法というもので、政府や加入者や受給者の福祉増進のために必要な施設をつくることができるという条文があるが、この必要な施設というのを、ものすごく拡大解釈して使っている。これだって一般会計と関係のあることだから厚労省が勝手にやることはできないわけで、大蔵省がお墨付きを与えているということ。この流用した4000億円だの10兆円だのは単なる使った額の累積であり、これを流用せずに運用していたら10年で2倍にもなったかもしれない。保険料など払わなくて済むような状態になっていたかもしれない。
二木:岩瀬さんは年金問題一本の若い人で、たいへんな努力をしていて、フリーランスでこの問題をひとりでこじ開けている。
(以下、ご参考)
岩瀬達哉著「年金の悲劇 ―老後の安心はなぜ消えたか」(株式会社講談社・税込み1575円)が、4月26日から本屋さんで、売っております。「年金大崩壊」の続編ですので、年金制度に対して怒り狂いたい人には、お勧めです。
       目次
第1章 年金官僚の悪行現場をとらえた  コンパニオン付きの“官官接待”  公用車を使って「夜祭」を楽しむ  年金掛け金から裏ガネをつくる手口
第2章 どこまで国民を裏切り続けるのか
江角マキコ「年金キャンペーン」のドタバタ劇  国民を“妖怪”扱いする差別行政  社会保険庁が違反契約を結ぶ不思議な会社
第3章 厚生年金の空洞化もはじまった
赤字をたれ流し続けるグリーンピア 掛け金取り過ぎ・年金払い過ぎの迷走 厚生年金の未加入者も増えている 役人たちは厚生年金を食い散らかしている
第4章 年金が破綻するこれだけの理由
「積立金取り崩し」はウソだった  年金住宅ローンは破綻している
第5章 国民を不幸にする日本の年金制度
フランス、ドイツより日本がいいというウソ  かくも不幸な日本の年金生活者たち  イギリスの基礎年金制度に学べ  社会保険庁とNTTデータとの黒い関係  “年金利権”を全廃しなければ制度は瓦解する

http://members.jcom.home.ne.jp/pinuskoraie/0305.htm

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