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ワ〜ゥオッ、バブル最高、危機はさったのネ
関連
(産経)
(呆れた)富裕層と貧困層日本も“二極化”高級外車、豪華な船旅販売好調/年収100万円台のフリーター増加
http://www.asyura2.com/0403/hasan35/msg/258.html
http://www.history.gr.jp/news/040516_03.html
坪7000万円も 銀座で土地「ミニ・バブル」進行中
http://www.asahi.com/housing/zasshi/TKY200405200161.html
デジタル景気で、ようやくどん底を脱した感のある日本経済だが、日本一の繁華街、東京・銀座では土地取引が活況を呈し、早くも「ミニ・バブル」が囃されている。ブランドだけでなく新興企業が続々土地を取得、しかも価格は底値の2倍以上で坪7000万円が珍しくないというのだ。いったい、何が銀座の地価を押し上げているのか。
◇
贈答品の大手卸会社、シャディ(本社・大阪府松原市)は、今年の暮れに念願の東京進出を果たす。建設中の自社ビルは銀座の目抜き通り「中央通り」の一角にあるが、土地取得にあたった担当者によると、とにかく地価の高さに驚いたという。
「02年秋から物色を始めたが、大阪・梅田の一等地で坪3000万円ぐらいなのが、いろいろ聞くと銀座は倍以上。それに、売却物件が多いことにも驚きました」
半年間、ほかの地区を含めてさまざまな物件を見たが、結局、03年春に、ある銀行が銀座支店の売却を決め、入札で「一番札」を勝ち取った。価格は「坪7000万円台」。約73坪だから土地代だけで50億円を超すが、担当者は夢を膨らませる。
「旗艦店としてウチの情報発信基地にしていきたい。広告塔としての位置づけもある。いずれは『東京・銀座 シャディ』と呼ばれるようになりたいんです」
銀座8丁目、JR新橋駅にほど近い角地の、とある雑居ビル。30坪弱の土地に地下2階地上9階建ての建物が立つが、このビルをめぐる取引が昨年、不動産業者の間で話題を呼んだ。
もともとの持ち主は中堅マンション会社だったが、それが民事再生法の適用を申請、経営再建の過程でビルが売りに出され、昨年8月、大手商社系の不動産会社が取得した。不動産会社の執行役員が言う。
「土地代は坪約3000万円。ウチは、そのビルの収益性を高める措置を施しました。管理業者を替えてコストを削減し、オフィス部分の空きに新たなテナントを誘致した。うちは保有し続けてもいいと思っていたが、『買いたい』と言う人が出てきたので11月に手放しました」
わずか3カ月での転売。買ったのは台湾人と見られる個人で、売値は約11億円だった。
「(台湾人は)日本では初めての不動産投資、ということでした。手ごろな物件を探し続けていたようです。きっと、『銀座』という名前にひかれたんだと思います」
表通りの「高値」とビル転売。銀座に精通するベテラン不動産業者によると、このところ銀座の不動産取引が活況を呈しているという。
「なにしろ、昨年、私が手がけたビル売買だけで11件にのぼりました。長年、銀座を扱っているが、こんなことは初めて。価格も上がっています。大通りに面した土地は8年ほど前が底値で坪3500万円ほどだったのが、今は2倍以上です」
このベテラン業者のもとには、訪問者が引きも切らない。大手の不動産業者やビル工事を受注したいゼネコン、外資系ファンド……。いずれも新たな不動産取引の情報を求めているのだが、ベテラン業者はご満悦だ。
「いまや銀座は『ミニ・バブル』と言ってもいい状況です」
90年代前半、バブルとともに崩壊した「土地神話」。「失われた10年」を経て、都心の地価はようやく下げ止まったが、今後の「右肩上がり」を予想する声は聞こえてこない。それなのに、銀座では「下げ止まる」どころか、地価が上昇し、活発な取引が行われているというのだ。
活況は、何げない定点観測からも見て取れる。銀座を本拠とする不動産管理会社、イルタスは、銀座のビル利用状況を定期的に調べている。千葉哲也社長によると、バブル後遺症にあえいでいた10年前に39カ所あった更地が昨年秋には19カ所に減り、逆にビル建設中の土地が3カ所から21カ所に増えていた。
「テナントとしての賃料も昨年、底を打ったといわれています。丸の内と汐留の二つの再開発に挟まれて銀座は股裂き状態だが、それでも買い手がいるからこそビル売買が活発なのです。銀座の魅力が再認識されている」
不動産投資顧問会社、ダヴィンチ・アドバイザーズの金子修社長によると、そもそも土地取引が活発化する明確な理由が銀座にはあるという。
「日本全体は少子高齢化で人口が減っていくが、銀座周辺、すなわち中央区や江東区は逆に人口が増えています。しかも、銀座にはすばらしい社会的インフラが整っている。東京への一極集中は今後、ますます進む。その東京で、人口が増えて、かつ便利な場所なのですから、土地が動くのはある意味、当然です」
青山と並んで、銀座は有名ブランドのメッカ。それらブランドが、自社ビル建設のために行う土地取得が高値を呼ぶ一つの原動力になっている。
1997年のエルメスを皮切りに、2002年にシャネル、昨年はグッチとティファニーがそれぞれ土地を取得した。しかも、取得価格を公表したシャネルとティファニーは、それぞれ170億円、165億円もの巨費だ。
シャネルが、
「銀座は日本で最も高級感のある街であり、外国の人にとっても銀座のイメージはとても高い。そこに旗艦店をつくることは世界に向かってアピールすることになる」
と言えば、05年春の新ビル開業をめざすグッチも、
「4丁目で表通りに面した土地以外には興味はありませんでした」
と、まず立地ありきを強調する。要するに、価格は二の次で、ニューヨークやパリと同様に、銀座の表通りに自前のショップを構えたいのだ。
●ドトール社長が「相場を上げた」
「価格二の次」派は、ブランドだけではない。オーナー系企業やその創業者が土地を取得するパターンも、相場をつり上げている一因だ。
マツモトキヨシとファンケルはともに99年の取得で、いずれも会社名義。「マツキヨ」の銀座進出は当時、話題を呼んだが、ファンケルの創業者、池森賢二会長も銀座に強い思い入れがあるようだ。
「私は銀座という一流の場で、お客さまの厳しい目にもまれて、当社ブランドをピカピカに磨きたいのです。だからこそ、自社ビルが欲しかった。それに、ここだと世界へ向けた発信基地にもなる」
「銀座」という名前へのあこがれは、会社創業者に共通したものなのかもしれない。先のベテラン業者が言う。
「最近、目立つのは、会社名義での取得よりも、創業者が個人名義で土地を買うケースです。代表例は、02年春に並木通りに120坪の土地を買ったドトールコーヒーの鳥羽(とりば)博道社長でしょう」
この取引は、不動産業界の度肝を抜いた。当時は、並木通りだと坪5000万円でも「高い」と言われていたのに、買値が坪7500万円(推定)の高値だったからだ。なんと土地代だけで90億円である。
「鳥羽社長にとって、銀座の『大家』になることに巨費を投じる意味があったのでしょう。その後は、この価格が並木通りの相場になり、今ではこの価格でも買えないほどです」(ベテラン業者)
すでに工事が始まっているが、鳥羽社長はここに地下2階地上10階のビルを建設する予定だ。ご本人は、会社広報を通じて、
「時期がくれば全容をお話しするが、今はその時ではない」
と答えたが、周辺によると、地下と低層階はショップ、中層階は飲食レストランを誘致する構想という。
「ユニークなのは、9、10階を鳥羽社長自らが使うことです。最近、彼は次代の日本を背負う人材育成に使命感を燃やしていて、そのためのスペースにあてるようです。いずれにせよ、買値からすると、テナント賃料から価格が決まる、いわゆる収益還元法では採算が合わないビルです」(鳥羽社長を知る関係者)
66歳の鳥羽氏はこのほど、05年の社長退任を表明した。どうやら「余生」は銀座で「人づくり三昧」を決めこむようだが、ブランドと合わせて「価格二の次」派の「採算度外視」が高値を呼んでいる格好だ。
ある東証1部上場企業の創業者が、資産管理会社を使って活発な土地取得を行い、業者の話題を呼んでもいる。
登記などによると、01年から03年にかけての複数回の取引で中央通り沿いに約200坪のまとまった土地を取得している。また、昨年12月には同じ中央通り沿いの別の土地約70坪も買っていた。
「いずれも大通りに面した一等地です。200坪のほうはドトールの社長と同様のビルを建てる予定ですが、70坪のほうは転売狙いと見られています」(銀座の不動産業者)
こちらも投資金額は100億円を軽く超すことは間違いない。
また、地方の堅実企業などが進出するパターンも、冒頭のシャディで見たように「銀座」という地名にひかれての取得と見られる。ただし、冠婚葬祭業者の取得理由はユニークだった。
「ズバリ、収益狙いです。神楽坂にもマンション1棟を買ったが、不動産運用で生活できるようにして早く仕事を引退したいのです。鳥取では、とても不動産投資はできません。まだまだ地価は下がりますからね。その点、銀座なら心配が少ない」
ともあれ、銀座の一等地はいまや、「坪7000万〜8000万円」が通り相場になっている。バブル最盛期には「坪1億円」といわれていたというから、計算上は7割方、地価が戻ったことになる。
「ミニ・バブル」の中身が見えてきたが、お気づきだろうか。当たり前だが、「売り物件」が出ないことには土地売買は成立しない。そう、「売り物件」が急増しているからこその活況であり、そして「売り」が出る理由こそ、今の日本を象徴している。
●不良債権処理が取引を生む例も
中には、元の所有者が差し押さえをくらい、その後、複数の業者が転売を繰り返した土地がある。シャネルが買ったのは巨額の有利子負債に苦しむダイエーのグループ会社からだし、グッチに土地を売ったのも財務強化をめざす近鉄グループだ。
銀座の不動産業者が言う。
「取引が始まるきっかけは、不良債権処理か企業の財務リストラ、いずれかとみて間違いありません。不良債権化したビルが単独で売買されるケースもあれば、そういうビルを核に周辺をまとめる、いわゆる『地上げ』で坪単価を引き上げるケースもあります」
何のことはない、大本はバブルの最終処理から発し、それに「銀座」という地名で付加価値がついて価格が上がっているのだ。不動産業界の関係者は、
「あと数年は、出物が続く」
と、口をそろえる。先にも触れたが、このため、不動産会社が銀座に集まり、ビジネスチャンスを探している。
その一つが、野村不動産が昨年11月に取得した5丁目の約96坪の土地だ。これも、「不良債権」がもとになった土地というが、野村はここに地下1階地上9階建ての飲食ビルを建てる。同社ペアシステム事業部の土は生ぶ哲雄部長が言う。
「わりあい安く土地を仕入れられました。主に銀座周辺に勤めるサラリーマンが利用する飲食ビルにするつもりです。開業は来春だが、テナント10店の枠に30もの業者が申し込みをしてくれています。運営が軌道に乗った段階で投資家に転売して、うちはその売却益をとりに行きます」
土生部長によると、銀座でも表通りから一歩中へ入ると、土地柄がいま一つのところがあり、そういう土地にきちんとした「収益ビル」を建設するのがディベロッパーの腕の見せどころだという。ビルを新たに建設するか、既存のビルをリフォームするかの違いはあるが、狙いは野村と同じ転売による売却益だ。
●「都心商業地に拡大していく」
さて、「不良債権」ならば、各地にあるはず。果たして「ミニ・バブル」は、銀座に限ったことか、それともバブル同様、周辺に広がっていくのか。
HSBC証券のシニアアナリスト、増田悦佐氏は、少なくとも都心商業地には広がる見込みがあるという。
「日本全体では、土地取引件数は減少し続けているが、実はいま、千代田、中央、港、渋谷、新宿の5区では取引が急増しています。旺盛な法人のオフィス需要に支えられているからですが、投資金額に対する利回りがまたいいんです。ひところは5〜6%もあったし、少し下がったとはいえ今でも年間4.5〜5.5%は取れる。一方で長期金利は1.6%ほどだから、借金で不動産投資をしても十分、ペイするわけです。土地神話が崩れ、もう不動産はダメという思いこみが薄れてきているのも、投資家の背中を押しています。あと数年は都心不動産は活況を呈するでしょう」
ただし、先のベテラン業者によると、銀座では買い手が土地取得を借金だけに頼らない傾向があるとのことだ。
「少なくとも創業者たちは、私財を投じている。しかも目的は長期保有が多い。ある意味、健全な『大家』が増えていると言えませんか」
だとすると、バブルの教訓が、現時点では守られていることになる。(編集委員・首藤由之)
(週刊朝日:2004年5月21日号)
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