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(回答先: リデル・ハート『第一次世界大戦』【松岡正剛の先夜千冊】 投稿者 愚民党 日時 2004 年 5 月 18 日 19:36:58)
第一次世界大戦は、ヨーロッパ大戦と呼んだ方がふさわしい戦争である。
サラエボで起きたオーストリア皇太子暗殺事件が直接の原因とされているが(この暗殺事件も仕組まれたもの)、皇太子が暗殺されたからといって、オーストリアやドイツが戦争を望んでいたわけではなかった。
ナポレオン戦争以降の戦争と近代的軍備拡張で国家財政は疲弊しており、戦争どころではなかったからである。
第一次世界大戦は、オーストリアやドイツの軍上層部に巣くっていた裏切り者たちが国家主権者(=皇帝)を唆して戦争に駆りたてた可能性が大である。
第一次世界大戦は、経済的には国際金融家の利益拡大、政治的にはロシア帝国の崩壊が最大の目的であったと思われる。(ドイツ及びオーストリアの弱体化も大きな政治目的である)
ドイツ陸軍参謀本部の小モルトケは、わざととしか思えない戦術のミスでフランスを打ち負かすチャンスを失った。(この戦術問題は、日本の陸軍大学校でも主要な戦史テーマとなった)
一方、英米支配層は、ドイツが食糧や石炭で戦争を継続できない条件にあることから、ドイツに占領されたベルギーを救援するという名目で物資を送り込み、それをドイツに輸送することを通じて戦争を長期化させた。
(長期化は、戦争資金を貸し出す国際金融家の利益を増大させるとともに、政治課題であるロシア革命を成功させるためである)
ヨーロッパの人たちは、このような「やらせの戦争」で1千万人が死ぬという大災厄に見舞われた。