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昨年63万人
就職意欲がなく働かない、「ニート(NEET=無業者)」と呼ばれる若者たちが急増している。平成十五年は六十三万人と十年前の約一・六倍に増加、十五−三十四歳の約2%に上ると推計される。就職活動をしないことからハローワークなど公的機関経由の接触も困難。少なくとも働く意思はあるフリーターよりつかみどころがない存在で、職業人育成システムの再構築が必要になりそうだ。
ニートの急増ぶりは、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の小杉礼子・副統括研究員が、総務省の労働力調査のデータを分析して明らかにした。十五−三十四歳の比較的若い年齢層に限定、フリーターを除外し計算したところ、平成五年の四十万人から、十年後の十五年には六十三万人に急増し、対象年齢層の約2%に上ったという。
この分析結果を踏まえ、小杉研究員は、若者への就業支援を行っている民間企業、地方公共団体施設などを対象に、ニートの実態などについて聞き取り調査を行った。
その結果、ニートの例では、親に“パラサイト(寄生)”して生活しているケースが多く、現金が必要になると、一、二日の短期のアルバイトをしてしのいでいる−などの生活スタイルが浮かんだ。
ニートが四種類=表=に大別できることも分かった。I「ヤンキー型」は先進国特有のタイプで各国に共通して存在。だが、III「立ちすくみ型」、IV「つまずき型」は完全に自信をなくしている人もいて、アルバイトもできない場合がある。III、IVは「高校や大学を卒業すると一斉に就職し、離職したら再挑戦が難しい日本に特有のタイプではないか」と小杉研究員は指摘する。
また、年齢別でみると高校卒業から一年以内にあたる十九歳が突出して多く、男女とも対象年齢の約4%。就職事情の厳しさから高校卒業後に定職に就くことをあきらめた層がかなり含まれているとみられる。
若者の就業をめぐっては、フリーターが内閣府調査で全国で約四百十七万人にのぼり、税収減、年金制度など経済、社会への影響が懸念され国が対策に手をつけたばかり。
小杉研究員は、「日本社会がこれまでもっていた次世代の職業人を育成するシステムが機能しなくなったことをまず社会全体が認識する必要がある。その上で、学校、産業界、行政が連携してシステムを再構築しなければならない」と指摘している。
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≪社会の不安定要因に≫
「パラサイト・シングルの時代」などの著書がある東京学芸大の山田昌弘教授(家族社会学)の話「アルバイトとか夢をもっているフリーターのほうがまだましで、『どうなってもいいや』という人が増えることは、社会における不安定要因になる。これだけ努力したら、こんな職に就けてこんな生活が待っているといった将来の見通しがつけられるような総合的対策が必要だろう」
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≪ニートとフリーター≫ ニートは「Not in Employment,Education or Training」の略語で英国の労働政策の中から生まれた言葉。一方、フリーターはフリーのアルバイターの意味の造語で、定職につかず、短期のアルバイトなどをして暮らす若者ら。長引く不況下で企業が正社員採用を手控える中で増加した。(産経新聞)