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【話題の焦点】 2004年4月29日 掲載
「成功した企業はありません」
リストラの格好の口実になると、企業がこぞって飛びついた「成果主義」――。だが、サラリーマンに竹中流「優勝劣敗」を強制し、社内をギスギスさせた揚げ句、成果が出ずに破綻が目立っている。話題の書「虚妄の成果主義」を著した東京大学大学院経済学研究科教授の高橋伸夫氏は、「本当はどこの会社も元に戻したくて仕方がないはず」と断言する。
――そもそも成果主義の何が間違っているのか。
「一番大きいのは社員が点数稼ぎに終始し、業績に反映しないことです。誰にでも心当たりがあると思うが、社員はカネのためだけに働いているわけじゃない。生活が保障されてさえいれば、社員のモチベーションは高まり仕事に反映される。逆に言えば、生活が不安になれば会社にもマイナスなのです。成果主義を導入して成功した企業は一つもありませんよ」
――「虚妄の成果主義」に対する反響は? また、実際に成果主義を見直す企業は出てきたか。
「多くの読者から『目からウロコが落ちた』という意見を頂きました。とくに、社員を評価する側の反響が大きかった。ただ、企業もすんなりと看板を下ろすとは言えないのでしょう。賃金格差の幅を少なくするなど、運用面を見直しているのが実情のようです」
――成果主義がクビ切りの口実だけに利用されている側面もあるのでは。
「本来、口実をつけて社員のクビを切らなきゃならないような経営の苦しい会社こそ、お金を目の前にぶら下げるような成果主義を導入すべきではないんです。そんな会社が成果主義を採用すれば社員が疑心暗鬼になり、やる気は落ちる一方です。仕事には仕事で報いるのが、カネもかからず、社員のやる気にもつながる最善の策だと思います」
――結局、給与システムはどうすればいいのか。
「間違いなく従来の年功型に戻すべきですよ。生活の保障があって初めて社員は仕事に専念できた。それに、これまでの年功制でも同じ年代でポストや給料に差はありました。洗練されたシステムだったのです。今でこそ新しいシステムと聞いて成果主義に飛びついているが結局は成果主義とは名ばかりで、実態は年功型の企業が増えていく。多くの企業が元に戻したくて仕方ないはずです」
米国追随にいいことはない。
http://gendai.net/contents.asp?c=051&id=1328