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(回答先: トルコ、ボスポラス海峡横断地下鉄の建設開始【日経】円借款は第一期分124億6400万円を供与済み。 投稿者 処方箋 日時 2004 年 5 月 10 日 17:16:49)
OECF(総裁 篠沢 恭助)は、トルコ共和国における「ボスポラス海峡横断地下鉄整備事業(I)」及び「ボジュイク・メケジェ道路改良事業」の所要資金として、それぞれ124億6,400万円及び293億6,700万円を限度とする貸付けを行うことを決め、1999年9月17日、借款契約に調印した。
調印は東京のOECF本部で行われ、OECFを代表して篠沢総裁が、トルコ共和国を代表して財務庁カラオズ対外経済関係局長(Mr. M. Aydin Karaoz)が署名した。
この結果、OECFのトルコ共和国に対する貸付承諾累計は、22件、3,889億3,400万円となった。
借款金額及び条件、並びに事業概要は下記の通り。
■ 1.借款金額及び条件
nowrap>案件名 | 金額 (百万円) | 金利 (%/年) | 償還期間(年) (うち据置) | 調達条件 | ||||
本体 | コンサル ティング ・サービス | 本体 | コンサル ティング ・サービス | 本体 | コンサル ティング ・サービス | |||
1 | ボスポラス海峡横断地下鉄整備事業(I) | 12,464 | 0.75* | 0.75* | 40/10 | 40/10 | 部分 アンタイド | 二国間 タイド |
2 | ボジュイク・メケジェ道路改良事業 | 29,367 | 2.2 | 0.75* | 25/7 | 40/10 | 一般 アンタイド | 二国間 タイド |
注)**特別環境案件特別金利 |
■ 2.トルコ共和国概要
トルコは、アジアとヨーロッパをつなぐ交通の要路に位置し、地中海と黒海にはさまれたバルカン半島の一部と小アジア半島から構成されている。国土面積はわが国の約2倍にあたり、アナトリア高原(アジア側)が国土の大半を占める山岳国であり、その平均海抜は約1,100mに達する。また、トルコの人口は約6,300万人であり、中東地域ではエジプト、イランと並んで最も大きい国の一つである。
歴史的には1299年からオスマン=トルコ帝国が同地域を約600年間にわたり支配したが、第一次世界大戦で敗戦後、軍人出身でトルコ国民党を率いるムスタファ=ケマル(アタチュルク)は、1922年スルタン制を廃止し、オスマン=トルコは滅亡した。1923年には新政府は連合国とセーブル条約に代わるローザンヌ条約を締結して不平等条約を撤廃すると共に、現在の領土を回復し、アタチュルクが初代大統領に就任した。トルコは中東のイスラム教国であるが、1924年には政教分離を断行して主権在民と議会制を原理とする憲法を採択し、第二次大戦後には一党独裁から複数政党制へ移行した。
経済状況は、1995年以降GDP成長率が6〜7%と比較的高い水準で推移しているものの、97年に財政赤字がGDP比約7%、インフレ率が99%に達した。このような状況下、トルコ政府は、98年6月にIMFとの間で18ヶ月間のスタッフ・モニタード・プログラム(Staff Monitored Program)を実施することを合意し、また2000年末にはインフレ率を1桁とすることを目標とした、財政・金融政策及び構造改革を実施している。なお、本プログラムに沿った経済運営を実施した結果、98年末のインフレ率を54%に低下させることに成功している。
■ 3.事業概要
(1)ボスポラス海峡横断地下鉄整備事業(I)
(Bosphorus Rail Tube Crossing Project)
(a)事業の背景と必要性
イスタンブール市の人口は90年以来年平均3.3%増加し、97年には930万人となっている。市内の旅客輸送手段には道路、鉄道、フェリーがあるが、輸送量の90%以上を道路が占めており、その混雑は著しい。特にボスポラス海峡(住宅地区であるアジア側と商業地区である欧州側を分断)に架る2箇所の橋梁の交通量は平均32万台/日(97年)に達し、慢性的な交通渋滞が発生している。更に、交通渋滞時の大量の排気ガス発出による大気汚染、エネルギーの過剰消費が深刻な問題となっている。
かかる事態及び今後の人口増加による、更なる事態の悪化に対応するため、トルコ政府は大量輸送交通手段として、ボスポラス海峡横断地下鉄の事業化を決定した。
(b)事業の目的及び概要
本事業は、2007年の開通を目指し、イスタンブールの中心部を東西に結ぶ地下鉄(4駅、11.3km)を建設し、今後の旅客人口増及び環境問題に対応するものである。計画では、アジア側、欧州側に既に存在する鉄道路線と相互乗り入れすることになっており、この鉄道路線の改修事業も併せて実施されることとなっている。
本プロジェクトのうち、ボスポラス海峡横断部分(1.8km)は沈埋函工法が採用される予定であり、完成すれば、世界最深(最大深度約−56m)の沈埋函プロジェクトとなる。
借款資金は地下トンネルの建設、及びコンサルティング・サービス(入札補助、施工監理)費用に充当される。
事業実施者は、運輸通信省鉄道・港湾・空港建設総局(General Directorate of Railways, Harbors and Airports Construction, Ministry of Transportation and Communication:DLH、住所:D. Blok 7. Kat Emek, Ankara, 06510, the Republic of Turkey、TEL:90-312-212-4728、FAX:90-312-212-3847)である。
(2)ボジュイク・メケジェ道路改良事業
(Bozuyuk- Mekece Road Improvement Project)
(a)事業の背景と必要性
トルコは、広大な国土面積(77.9万km2)を有し、人口と経済活動が分散しているため、円滑な物流の確保が経済開発政策上の重要課題の一つとなっている。トルコの道路部門は全貨物輸送の93%、旅客輸送の95%を担っており、国内輸送においては、中心的な役割を果たしている。
本事業の対象区間であるボジュイク・メケジェ区間は、同国の南北を結ぶ国道650号線に位置しており、同国西部のマルマラ地域の工業生産品、及び、同国南部の地中海地域の農産品、軽工業品の物流に利用されている。
特に、同区間は近郊に産業都市であるブルサ(自動車、繊維)、イズミット(石油精製、自動車等)、エスキシェヒル(電気機器・農業加工品)、およびボジュイク(窯業)が位置していることもあり、同区間の1日の平均交通量は、トルコ平均の約2倍に達し、かつ、交通量の約50%以上がトラック等の重量車輌で占められていることから、一部の区間では重量車輌の平均速度が10km/程度となっている。このような状況の下、物流の円滑化を促進するため、同区間における幹線道路の規格向上による輸送能力強化が喫緊の課題となっている。
(b)事業の目的及び概要
本事業は、ボジュイク・メケジェ区間(75km)を、既存2車線から4車線に拡幅することにより、増加する道路輸送需要への対応を図り、もって、物流の円滑化による同国の産業の振興を支援することを目的とするものである。
本事業では、ボジュイク・メケジェ区間の、既存道路拡幅、路線改善、ボジュイク市にバイパス(11km)を建設すると共に、32箇所の橋梁、及び、2箇所のトンネル建設を行う。
借款資金は、本事業に必要な資機材の調達、及びコンサルティング・サービス(入札補助、施工監理)に充当される。
本事業の事業実施者は、公共事業・住宅省道路総局( General Directorate of Highways:KGM、住所:06 100 Yucetepe, Ankara, the Republic of Turkey、TEL:90-312-425-1689、 FAX:90-312-417-2851)である。