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【ロンドン=田村篤士】英投資銀行のN・Mロスチャイルドは金の取引業務から撤退することを決めた。ロンドンの同社のディーリングルームで決まる取引価格は、国際的な金価格の指標として80年以上の歴史を持つ。取引に参加しているほかの投資銀行に業務を引き継ぐ方針だが、中核の同社の撤退は値決め制度の存在感を低下させかねない。
この取引は値決め(フィキシング)と呼ばれ、ロンドンで受け渡しすることを条件にした現物取引。取引所を通さずに売り手と買い手が直接取引する仕組みで、ロスチャイルドやドイツ銀行など一部金融機関が注文を集めて、1日二回価格を決めている。第一次世界大戦後の金価格の混乱を避けようと戦勝国がロスチャイルドに流通市場の整備を依頼したのがきっかけとされる。今なお国際的な指標として注目度が高い。同社は事業内容の見直しに取り組んでおり、商品取引から全面撤退する方針。値決めからの撤退もその一環。「過去5年で金を含めた商品取引の売上比率は下がっており、商業銀行業務などに経営資源を集中する」としている。 (16:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20040415AT2M1501315042004.html