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加州からの企業流出傾向続く 2004年4月14日
エネルギー費用など操業コスト高で
シュワ知事の経済再建に危機
米国経済の牽引(けんいん)車といわれてきたカリフォルニア州から操業コストが安い他州への企業移転継続の傾向が依然として強いことが最近の調査で明らかになった。州民生産で世界の六番目に当たる経済力を持つカリフォルニア州だが、シュワルツェネッガー新知事の財政再建、経済活性化の訴えにもかかわらず、企業経営者はカリフォルニア州の将来に半ば見切りを付けているようだ。
(ロサンゼルス・宮城武文)
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魅力ある加州の再生へ外国企業の誘致を訴え
カリフォルニア州が他州に比べて経済活動でマイナス要因が高いことを示すケースが最近相次いでいる。カリフォルニア州では労働者の医療保険負担をめぐる大手食料・雑貨スーパーの数カ月に及ぶストが終わったばかり。高騰する医療保険の会社側負担の一部を労働者に肩代わりしてもらう経営者の提案に労組が反発して起きたものだが、結果的には両者痛み分けで、ストによる巨大な損失がもたらされただけに終わった。
そして四月に入り、非組合労組員を従業員として雇い、医療費負担コストを抑えている大手雑貨スーパーのウォルマートが、食料品を含んだスーパーセンター展開を計画していることに関して、予定地のイングルウッド市(ロス南西)で住民投票が行われ、進出計画が拒否されるという事態が起きた。低コスト、低価格のスーパーセンターは地元商店に打撃をもたらし、労組の脅威になるというのがその理由だ。市長とウォルマート経営者の地元に雇用をもたらし、経済活性化に役立つという主張が退けられる結果になった。
カリフォルニア州での操業コストは他州と比較すると極めて高く、人件費、エネルギー費用、州および地方税などの主要ファクターで総合すると、マサチューセッツ州に次いで米国第二位、西部では断トツのトップに位置している。特にガソリン、電気、ガスなどのエネルギー費用はコロラド州やユタ州の二倍以上となっている。
カリフォルニア・ビジネス・ラウンド・テーブルが最近カリフォルニアに本社を置く五十の企業にインタビュー調査したところ、三割がカリフォルニア州での経済活動を他州に移転することを計画しており、半数がこれ以上カリフォルニア州での雇用を増やす計画がないことを明らかにしている。
実際、カリフォルニアでの雇用は全米平均に比べても極めて分が悪い。州が発表した三月の新規雇用者数は五千二百人だったが、全米で三十万八千人の新規雇用があり、全米人口比の約一割を占めるカリフォルニア州からすれば、全米平均をはるかに下回っているといえる。
現在カリフォルニア州で大きな問題になっているのは、労働者の労災補償問題だ。カリフォルニア州では仕事に伴う病気やけがの補償費用が他州に比べて極めて高額で、州や企業側に大きな負担となっている。実際には仕事に関係ないけがや病気、さらに虚偽の申告で補償を得ているケースも多いのが現状だ。この問題についてはシュワ知事も選挙キャンペーン中から見直しが必要だと訴えており、具体案を策定中だ。
ただし、この労災補償問題が解決しても企業経営者に州外転出を決意させる多くの要因がある。住居費が極めて高いこともそれであり、都市部における交通混雑、犯罪など環境悪化も挙げられている。
移転先の人気州は隣のネバダ州だが、ラスベガス周辺にはこの一年で十八の企業がカリフォルニア州から移転している。しかし、カリフォルニアの魅力は南部の気候が温暖で快晴の日が多いことや、優秀な大学が多いこと、移民が多く安価な労働力が得られること、ハリウッドの映画産業やシリコンバレーのハイテク産業など今までのノウハウの蓄積と人材が豊富にそろっていることなどが挙げられる。
ハリウッドの俳優出身でオーストリアからの移民であるシュワルツェネッガー知事は、カリフォルニアをかつての魅力ある州に再生し、多くの外国企業の誘致を訴えている。企業の他州への流出を食い止め、外国や他州からの企業誘致を実現できるのか、シュワ知事の夢の実現には多くの困難が伴いそうだ。
http://www.worldtimes.co.jp/w/usa/usa2/kr040414.html