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【〈コラム〉経済気象台】 もう一つの日本経済
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これが同じ日本だろうか。円高はひ弱な日本経済にとって負担、として1年間に30兆円以上の円売りドル買い介入をし、欧米からひんしゅくを買う日本。一方で、10年以上にわたるデフレ経済から日本はいよいよ脱却する、との期待から、外国資本が1年間に14兆円以上も日本株を買い越す。内外の評価がこれほど乖離(かいり)するのも珍しい。
海外の評価はバカにできない影響力をもつようになっている。日本の株式取引においては、約半分が外国人投資家によって占められる。彼らの大規模な日本株買いが、為替市場での円高をもたらしている面がある。そしてこの円高が、当局の不安をよそに、日本経済をより一層輝かせている。
こういうことだ。昨年度中の平均株価は約47%上昇し、約30年ぶりの高い上昇率を記録した。おまけにドルで評価する外国人投資家にとってはドルベースの株価が重要で、これは円高によって更に高い70%の上昇となる。
土地も同様だ。今年1月の公示地価は、東京の商業地で2.7%の下落となっているが、やはりドルで評価すると、円高のおかげで10%近い上昇となる。海外の投資家からみれば、もはや日本経済はデフレを脱却し、資産インフレが進行しつつあると映る。これが一層円資産への投資を誘発する。
為替相場は、つい先ごろまで「ドル安」で、円はドル以外の通貨に対しては必ずしも高くなかった。それが最近では円の独歩高になっている。従来は、日本経済が回復拡大する過程では、対外投資が高まり、それに伴うドル買いが増えるために、回復期には円安となることが多かった。
しかし、今回はそれ以上に大きな資本が日本株に流入している。欧米の株価が伸び悩む中で、日本経済が再評価され、世界の資本が日本に熱い視線を向け始めた結果でもある。今回の日銀「短観」は、外資の前向き評価を後押しする良好な結果となった。(千) (04/06)