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「日銀ウオッチ」強まる05年デフレ脱却期待:量的緩和解除も視野に [ブルームバーグ]
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/736.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 4 月 06 日 17:21:31:Mo7ApAlflbQ6s
 


【記者:日高正裕】  4月6日(ブルームバーグ):「05年度以降のできるだけ早い時期を期待している」(春英彦審議委員が2日の共同通信とのインタビューで)、「個人的には平成17年度にそういう(消費者物価の前年比伸び率が安定的にプラスになる)事態が来ることを期待している」(武藤敏郎副総裁が2月24日の産経新聞とのインタビューで)。日本銀行内で05年度のデフレ脱却への期待が高まっている。

  日銀内で以前から強気だったのは、「2%台半ばの成長が2年続けばデフレ脱却は可能」と主張していた岩田一政副総裁。昨年10月時点で同副総裁が出したと見られる「04年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)前年比上昇率0.5%」という見通しについては、依然として賛同者は多くない。28日の「経済・物価の将来展望とリスク評価(展望リポート)」であらためて示される04年度の見通しについても、同副総裁を除けば依然マイナス予想が大勢を占めそうだ。

  しかし、足もとで景気回復に広がりが出ていることで、04年度は無理でも、 05年度中にデフレを脱却できるかもしれない、という期待の声がここに来てにわかに強まっているのも事実だ。春委員は2日のインタビューで、「今回の回復は 1990年代の過去2回の回復(96、97年と2000年)と若干違っており、3度目の正直でデフレ脱却につながっていく可能性がある」と述べている。

           日銀の強気裏付けた短観

  1日公表の日銀企業短期経済観測調査(短観)も、こうした見方に自信を与える内容だった。業況判断DIは大企業・製造業がプラス12、非製造業がプラス5、中小企業・製造業がマイナス3、非製造業がマイナス20と、今回から調査対象を変更したことによる段差を考慮しても、全体に2000年の回復局面のピークを上回り、製造業は96、97年の回復局面に並んだか、超える水準に改善した。

  短観では景気に広がりが出てきたことが示された。まだ自律回復に乗ったとは言えないが、その方向に一歩踏み入れた。全体の水準は96、97年の回復局面には届かないが、それもだいたい射程距離に入れつつある。国内のエコノミストの間では、04年度中に景気が息切れするという見方が強かったが、04年度の景気についてはほぼ勝負がついた。焦点は05年度だ??。短観を受けた日銀内の反応を集約すれば、こんなところだろう。

  昨年10月時点で「緩やかな景気回復が続く」としていた04年度の標準シナリオも、28日の展望リポートで上方修正されるのはほぼ確実。「緩やか」という表現が削除されるかどうかは微妙だが、足もとの消費が強いことや、景気回復の動きが中小企業や非製造業にも少しずつ波及していることを反映し、「景気回復は緩やかながらも広がりが出てきた」といった表現に変わる可能性もある。

            回復持続の鍵は個人消費

  では、焦点の05年度はどうか。景気基準日付のうえで02年初から始まった今回の景気回復は、今秋には戦後の平均的な長さ(33カ月)に達する。しかし、途中で軽微な調整局面を経たおかげで、「現在の生産、在庫動向は、景気循環の後期というより、初期によく見られる特徴を持っている」(バークレイズ・キャピタル証券の山崎衛チーフエコノミスト)。日銀もこうした見方を共有している。

  春委員が2日のインタビューで「個人消費が今後の本格回復のカギ」と述べたように、景気回復が長期化するかどうかは消費にかかっている。輸出、設備投資主導の回復にとどまる限り、さすがに05年度には息切れする可能性が強いが、これまで出遅れていた個人消費、中小企業・非製造業といった部門に回復の動きが強まれば、大企業・製造業が息切れしても景気回復は息の長いものになる。

  日銀の政策委員会メンバーが公言し始めた「05年度のデフレ脱却」はまだ希望的観測にすぎないが、日銀がここに来て景気回復の強さにある程度自信を持ち始めているのは確かだ。債券市場などをあまり刺激しないため、「05年度に量的緩和解除を期待している」とまでは言っていないが、内心ではそうした思いを強めていることは想像に難くない。日銀と金融市場の間では当面、個人消費の動向をにらみながら、量的緩和の時間軸の長さをすり合わせる作業が続きそうだ。

  「日銀ウオッチ」のバックナンバーは「日銀関係の日本語企画記事」 {TNI KIKAKU JBOJ JBN} でご覧になれます。

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更新日時 : 2004/04/06 07:25 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html

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