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(回答先: FRB議長が心臓発作?うわさでドル安に(ZAKZAK) 投稿者 エンセン 日時 2004 年 4 月 01 日 17:39:30)
【コラムニスト:Caroline Baum】
4月1日(ブルームバーグ):3月31日の朝、あるうわさがニューヨークを駆け巡った。米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長が心臓発作を起こしたというのだ。議長は今78歳だが、金融の世界で名をはせていて一定の年齢に達しているなら、市場にとってその人の健康状態が決定的に重要な問題となる。レーガン元大統領は現職当時、うわさにより定期的に殺され、また生き返ったりもした。
連邦準備制度の報道担当官によれば、グリーンスパン議長の健康状態は「良好」とのこと。議長の就任は1987年8月だが、今ではグリーンスパンという名前は連邦準備制度と同義語になっている。グリーンスパン議長は国内外で大きな影響力を持ち、中央銀行の歴史の中でも、比肩する者はいないだろう。
米議会は金融政策とかけ離れた問題でも定期的にグリーンスパン議長に助言を求める。最近では、議長は、教育までも自身の専門分野の1つに加えた。グリーンスパン議長にとっては、こうした要請に従い、あらゆる話題について意見を述べるのは楽しいことのようだ。議長が実際に影響力を行使する米ドルに関する問題を除いては。
この偉大なはぐらかしの達人が、ひょっとして米連邦準備制度を去る日は近いのではという兆候は、それがいかなるものでも、金融市場で反響を呼び起こす。米金融大手J.P.モルガン・チェースの米部門シニアエコノミスト、ジム・グラスマン氏は、3月31日のうわさは「避難訓練になった」とし、その結果は「国内的には質への逃避(米国債相場が上昇)。国際的には投資家の自宅待機(ドルは下落)」だったと述べている。
ボルカー前議長の場合
3月31日のうわさに対する反応は、レーダースクリーンが捕らえた光点とも言える。グリーンスパン議長が自ら選択して、あるいは健康問題により、やむを得ず辞任する時がきたら、どんなことが起こるのだろうか。
偶像の喪失に市場はどう反応するのか、歴史を振り返ってみるのは有益だ。グリーンスパン氏の前任者、ボルカーFRB議長が辞任を発表した1987 年6月2日、米30年国債の価格は3.25ポイント下げ、利回りは32べーシスポイント(1bp=0.01%)の急上昇となった。ドルは急落し、次の日のニュースは、ドルは対円で2.6%安となったため、連邦準備制度がドルを支えるため外国為替市場で介入を実施したと伝えていた。
3.25ポイントの下げと5年ぶりの大幅安となった30年国債だが、この1日間の下げを取り戻すのに、2、3日かかった。トレーダーや投資家らが、連邦準備制度の番人の交代は、連邦準備制度の目的が変わることを意味するものではないと理解するのに時間が必要だった。
では、グリーンスパン議長が連邦準備制度を去る時はどんな反応が起こるのだろうか。現在の議長任期の終了は2004年6月20日だが、ブッシュ米大統領はすでに、次の4年間の議長任期についてもグリーンスパン氏を指名すると示唆している。
しかしながら、グリーンスパン氏がFRB議長としてさらに4年間をまっとうするのは不可能かもしれない。グリーンスパン氏のFRBのメンバーとしての14年間の任期は2006年2月に終了し、留任はできないことになっている。(同氏は1987年8月に任期を定めずにFRBのメンバーに指名され、 1992年2月には再任されたが任期は14年と決められている。)
フェデラルファンド金利が1%と、連邦準備制度自らが緩和的と認める現在の環境下では、グリーンスパン議長がいなくなったからといって、条件反射的な動きを別にすれば、債券相場が大きく下落するとは考えにくい。誰がグリーンスパン議長の後任になろうとも、連邦準備制度が現在行っている金融政策より緩和的なスタンスを取るのは不可能だろう。たとえグリーンスパン氏が連邦準備制度を去ったとしても、債券市場からも外為市場からもレクイエムは聞こえてこないに違いない。(キャロリン・ボーム)
(キャロリン・ボーム氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Here Lies Greenspan, Not for Considerable Period: Caroline Baum (抜粋)
更新日時 : 2004/04/02 02:57 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html