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小泉純一郎首相が29日、改めて民主党の掲げる公的年金(国民、厚生、各共済年金)一元化に言及し、同党との抜本的な改革協議に意欲を示したことが政府・与党内に大きな波紋を広げた。
首相は同日、記者団に「一元化が望ましい」と強調。厚生労働省の大塚義治事務次官らはあわてて官邸に首相を訪ね、「一元化はステップを踏んでやっています」と、喫緊の課題ではないことを説明した。しかし首相はさらに同夜、「もしそういう協議に入れば1、2年で方向を出そうということはできるのではないか」と述べ、協議の場として「(年金制度改革関連法案の)審議の段階でそういう話が出てくるのではないか」との見方を示した。
これに対し、自民党の安倍晋三幹事長は記者会見で「もう一度、年金制度全体を見直すとしても、はじめに一元化ありきではない。一つのルールで同負担、同給付が望ましいとは思うが、厚生年金と国民年金は成り立ちも違い、(国民年金では)所得把握の問題もある。すぐには一緒にできない」と述べた。また民主党との協議についても「非常に長期的な観点から言ったと思う」と、火消しに躍起になった。
政府・与党が首相発言を懸念するのは、年金制度改革関連法案の審議への影響。「政府案が暫定案のように受け止められかねない」(厚労省幹部)という困惑だ。
政府内の一元化構想は、現行の枠組みを維持しつつ将来、厚生・共済年金間で財政調整を行うもの。これに対し民主党案は、所得にかかわらず一定額を支給する国民年金と、年金額が現役時の所得に比例する厚生・共済年金を統合。所得比例年金に一本化するものだ。
厚労省は民主党案を(1)所得把握の困難な自営業者を加入させればサラリーマンが納得しない(2)男女の賃金格差が大きい現状では、女性の年金額が低額になる――などを理由に「理想的だが、絵に描いたモチ」(幹部)と批判している。
首相の狙いは民主党との協調ムードを演出し、年金問題が7月の参院選で焦点化するのを避けることにあるとみられ、同省幹部も「協議を拒否している民主党への誘い水ではないか」と観測する。ただ、政府案の根幹は、保険料を段階的に引き上げる代わりに2017年度以降は定率(額)に固定するというもの。同省はこの政府案を「抜本改革」(坂口力厚労相)と位置づけており、「首相発言によって、国民にまた設計が変わるような印象を持たれるのはまずい」(幹部)と、心配する。【吉田啓志】
[毎日新聞3月29日] ( 2004-03-29-20:31 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20040330k0000m010067000c.html