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「慎太郎銀行」へ集中砲火…収益性などに「?」
30日に1000億円出資予算案可決
東京都が来年4月に開業する「新銀行東京」(仮称)の評判が芳しくない。都議会は30日、同行への1000億円出資を盛りこんだ平成16年度予算案を可決、設立が正式決定するが、金融関係者からは収益性を疑問視する見方が出ているのだ。石原慎太郎都知事のブレーンとされる日銀OBを「クセ者」と指摘する声もあり、“慎太郎銀行”は前途多難のようだ。
「不良債権処理を急ぐ大手銀行などが中小企業に貸し渋り、貸し剥しをしている。そこで、知事は2期目の公約として独自に銀行を設立し、中小企業に無担保で融資することを掲げた。狙いは、都経済の再生で、議会は共産党以外、賛成です」(都庁関係者)
都の基本計画によると、新銀行の資本金は1500億円で、うち1000億円を都が出資。500億円は民間から出資を募る。銀行免許は、仏の金融グループ『BNPパリバ』の日本法人『BNPパリバ信託銀行』を22億8800万円で買収することが決まり、来月1日、契約を結ぶ。
事業は中小企業向け無担保融資と預金者向けの多機能キャッシュカードによる決済サービス。「3年目に総資産1兆9000億円、融資残高9300億円(延べ融資額1兆6138億円)という中位地銀の規模を目指し、経常利益は70億円となる予定です」(同)
だが、このビジネスモデルに対する評判は決して良くない。全国銀行協会など民間銀行は「民業圧迫」と反発。収益性も「中小企業に無担保で融資するには、企業財務に関するデータ蓄積や審査ノウハウが必要。そうした裏付けもなく、3年で1兆6000億円も貸し出せば、多額の不良債権が発生する」(大手銀関係者)と懸念される。
また、新銀行のキャッシュカードは、JRと提携したり、小売店のポイントカードやクレジットカードとして使える機能が想定されるが、「こうしたサービスは民間銀行も力を入れており、新銀行が強みを発揮できるとは思えない」(金融アナリスト)。
さらに、金融コンサルタントは「新銀行の計画策定に元日銀参事でアビームコンサルティング(旧デロイトトーマツコンサルティング)顧問の畑山卓美氏がかかわっているようだ」と話す。
畑山氏は平成10年、日銀から金融監督庁に出向し、日本長期信用銀行の一時国有化に携わった。11年に日銀を退職後、イトーヨーカ堂の銀行設立準備室のプロジェクトリーダーとして「アイワイバンク銀行」のビジネスモデル策定にも参画した金融のプロだ。
ただ、金融関係者は「アイワイバンクは当初、融資業務も行う構想で、畑山氏は金融監督庁や銀行業界と激しく対立した。結局、畑山氏はリーダーを外れ、アイワイは決済専門銀行に落ちついた。畑山氏は派手なアドバルーンを上げるが、実行力には疑問符がつくのです」と打ち明ける。
畑山氏については、大手銀関係者も「エキセントリックな人で、業界に敵も多い。外資系金融機関を買収して銀行免許を手に入れるとは、いかにも畑山氏らしい」。
“慎太郎銀行”の成否には、金融ジャーナリストの森岡英樹氏が「無担保融資では、大手銀が貸し出しを躊躇するような質の悪い融資希望者が集まる。また、十分な決済サービスのためには銀行や信用金庫の協力が不可欠だが、金融機関は及び腰のようだ。ビジネスとして、うまくいかない可能性が
高い」とみる。
都民の税金で設立される新銀行の行方が注目されるのだ。
ZAKZAK 2004/03/29
http://www.zakzak.co.jp/top/top0329_1_16.html