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カネボウ支援:債権放棄は非主力銀も、株主責任は当然−再生機構社長 [ブルームバーグ]
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/578.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 29 日 16:55:43:Mo7ApAlflbQ6s
 


【記者:下土井京子】

3月 29日(ブルームバーグ):産業再生機構の斉藤惇社長はこのほど、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、支援を決定したカネボウの再生計画の詳細について「4月中旬すぎにはだいたい見えてくる」との見通しを示したうえで、金融支援が必要と判断した場合の債権放棄は主力行だけでなく、100行にのぼる非主力行も負担せざるを得ないとの考えを示した。

  株主責任にも「仮定の話」として言及し、「債務超過になっているということはエクイティバリューは消えている。優先している資金に債権放棄を求めるのなら、劣後している資金は当然、それより先に責任を問わなければいけないというのは資本主義の『いろは』の『い』だ」と、その必要性を強調した。

  また、各事業の売却・撤退の可能性について「全く決まっていない。先入観はない」としながらも、3月10日に子会社への営業譲渡を決めた化粧品事業も含めて「多過ぎるぐらい買い手は来るはず。すでに国内外を問わず、興味があるという声はたくさん聞いていることは否定しない」と述べ、買収のオファーが相次いでいることを明らかにした。

           原則はプロラタ方式

  産業再生機構は、子会社のカネボウブティック社を化粧品事業の受け皿会社とし、3800億円でカネボウから営業譲渡を受ける。譲渡代金のうち2800億円を貸し付けるほか、860億円をブティック社に出資することをすでに決めている。残る事業のデューデリジェンス(資産の適正評価手続き)を行ったうえで金融支援の必要性を判断し、5月中旬にも再生計画をまとめる方針だ。

  金融支援については、主力行の三井住友銀行が、当初の化粧品事業を花王に売却する案で「債権放棄はない」といったん説明。その後、一転して再生機構に持ち込むことを決め、債権放棄の必要性が高まった経緯から、非主力行が反発を示しており、調整の難航は必至の状況だ。しかし、支援決定から3カ月以内に買い取り決定しなければならず、時間は限られている。l

  これに対し、斉藤氏は「主力行と非主力行がリーズナブルに合意するよう詰める必要はあるが、原則としてすべての関係金融機関に一定率の放棄を求めるプロラタ方式を採用する」としたうえで、「われわれの数字が合理的であれば当然受けてもらえると思っている」と明言。また、「利益が出ていなかったにもかかわらずお金を引き揚げずに貸していた銀行側にも当然責任がある」とクギを刺した。

  再生機構は、金融機関に債権放棄を求める場合、既存の株主については減増資手続きによって、その持ち分割合を引き下げるなどして負担することが「原則」とのスタンスを示している。すでに、カネボウ側は、今3月期決算に2000億円のリストラ損失を計上し、1700億円の債務超過になると発表しており、株主責任も避けられない見通しだ。

            売却先は引く手あまた

  再生機構は、事業計画の概要の中で、化粧品事業以外の繊維、薬品、食品などの事業については「機構の支援の下で『選択と集中』及び分社化を徹底していく方向で検討する」と明記。不採算部門は、基本的に売却・撤退を前提に作業を進めているが、「できるだけ売却したい」(再生機構関係者)というのが本音だ。

  特に大きな赤字を抱えている繊維事業については、高木新二郎産業再生委員長が「かなりの工夫が必要」と指摘している。これに対し、斉藤氏は「商品として高い技術を持っているものもある。繊維部門がすべて悪いということはない。ハイテク技術を要する繊維事業はむしろ推進していかなければならない」と強調。

  「売却の交渉に入る段階ではない」としながらも、「売却先は引く手あまた。繊維事業かそれ以外、あるいは全体と、3つぐらいのプランをもとに興味を示している買い手が多い」ことを明らかにした。売却を決める際には、提示された買取額だけでなく、ビジネスプランが日本の産業や国家戦略にとって合致するかも含めて決定したい、との意向も示した。

  カネボウは今月30日に臨時株主総会を開き、化粧品事業の営業譲渡の了承を得たうえで、5月7日をメドに譲渡する予定。新経営陣も内定しているが、再生機構は本体の支援内容の詳細を決定後、経営陣を入れ替える方針だ。再生機構にゆだねることを決めた後に、その他事業の撤退・縮小を次々と発表したカネボウに対し、斉藤氏は「もっと早く対応すべきだった」と厳しく指摘している。

             再生機構は裁判所

  再生機構がカネボウ再建に乗り出したことで「民業圧迫」との批判も聞かれた。しかし、斉藤氏は「われわれは裁判所のような位置付けにある。再建に向けてコンフリクトがあった案件を裁定することが民業圧迫と言えるのか。企業と銀行の当事者間で解決できないからこそ裁判所に来る。結果、不良債権の処理につながる。 10何年の間、民間でできなかったことだ」と反論した。

  2003年4月に発足した再生機構の存続期間は原則として5年程度。05年3月末までに集中的に債権を買い取らなければならない。斉藤氏は「再生機構が早くなくなる状況になることが日本にとって一番良い」と述べたうえで、「特殊法人のように存続を延期することは全く考えていない。全員5年で喜んで失業する」と述べ、現段階で期間延長は念頭にないとの見方を示した。

更新日時 : 2004/03/29 00:02 JST

http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=a4UEjpgzx3bE&refer=jp_news_index

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