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中央省庁幹部による特殊法人や独立行政法人への天下り問題に絡み、4月に発足する新法人の理事長や社長などトップ人事の調整が大詰めの時期を迎えている。政府側は、先に定めた「官僚出身者の起用を半数以下に抑える」との目標達成に自信を見せるが、抵抗する構えの省庁も。代表権のない会長に民間人を据え、これも「非官僚枠」として計算するなど、帳尻あわせの一端も浮かび上がっている。
政府は、「天下りは役所の既得権益と思ってはいけない」との小泉首相の意向を受け、トップと常勤役員への官僚出身者の起用を半数以下に抑える方針を決めた。最初の試金石となるのが、一部の特殊法人の独立行政法人への移行などが予定される4月人事だ。
政府高官によると、トップ交代の対象となるのは20法人。首相周辺は「今回、民間人の起用や内部登用者の比率は確実に5割を超える」と述べ、目標を達成できるとの見通しを示す。しかし、対象となるトップや役員の範囲、どの法人で民間人を起用するかは明確ではない。
20法人のうち9法人が文部科学省の所管。4月から独立法人化する海洋研究開発機構や国立大学財務・経営センターなどは、現在の特殊法人組織で理事長などを務める元科学技術次官や元文化庁長官ら官僚出身者が「横滑り」はせず、独法化を機に退任する見込みになった。ただ、文科省所管の法人は、もともと元大学教授がトップに就任している例が多く、同省幹部は「現在でも官僚出身者の天下りは半数に収まっており、既に合格点」と説明する。
雇用・能力開発機構の3月1日付の理事長人事で、事務次官出身者を起用する案を首相に突き返された厚生労働省。大塚義治次官は11日の記者会見で、天下り制限を「いささか論理的ではない」と批判した。今回も労働者健康福祉機構、医薬品医療機器総合機構の理事長に、元労働次官や元厚労省医薬局長を横滑りさせたい考えで、首相官邸の判断が注目される。
一方、国土交通省は、新東京国際空港公団が4月に民営化して発足する成田国際空港の社長に元運輸事務次官、会長に民間人の松橋功JTB相談役を起用する「社長・会長分離」方式を示し、官邸の承認を得た。
会長の松橋氏には代表権がなく、本来は「民間人トップ」に数えるのは無理があるとの見方もあるが、首相周辺は「代表権の付与を求めたが、本人が固辞した。代表権はなくても非官僚枠に入れたい」としている。
政府の改革色を打ち出す狙いものぞく天下り削減だが、政府筋は「財界に関係法人の人選を頼んだら、独立行政法人は民間企業に比べて報酬がかなり下がるので、財界首脳から『差額を補填(ほてん)してほしい』と求められた」と、民間人起用の難しさを漏らす。
◇ ◇
〈特殊法人と独立行政法人〉 特殊法人は、公共の利益のため、政府が特別の法律によって設立した公団、公社、基金などの法人。財政危機の一因とされる赤字経営、民業圧迫、所管官庁からの天下り、族議員との癒着などの弊害が指摘されてきた。このため、政府は01年末に閣議決定した「特殊法人等整理合理化計画」で、特殊法人77と認可法人86の計163法人を廃止、民営化、独立行政法人(独法)化などの方法で整理する方針を決めた。
独法化されるのは、小泉首相がめざす「廃止か民営化」がすぐにはできない事業で、国の関与の必要性が高い、採算性が低い、などの条件に合う法人。独法は中央省庁改革の一環として99年に導入が決まった制度で、従来の行政機構と民間企業の中間的な組織。
(03/22 08:28)
http://www.asahi.com/politics/update/0322/002.html