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厚生年金基金連合会が「企業統治が優れた企業」に
投資するファンドの運用を始めるという。
今「企業統治」というのは「はやり」のキーワードである。
このファンドでは「監督と執行の分離」などを
「期待する統治の姿」として、それに合致する企業に投資するのだという。
しかし、それが本当に運用成績を上げる道なのだろうか。
企業統治の方法など企業の数だけあるはずだ。
それぞれの企業が業種や経営環境に応じて、
最善と思う方法を取っているはずだし、
だからこそ、この競争の激しい社会で生き残っているのだ。
それをマスコミがもてはやす「はやり」の基準に基づいて、
「良い」企業統治を判断して投資したとして
運用利回りが向上するとはどうしても思えない。
もし本当にそうなら、そういうシミュレーション結果等を明示すべきだし、
明示できないのであれば、そんな運用に年金資産をつぎ込むことは、
年金受給者に対する背任行為に等しい。
同様のことは「議決権行使」への姿勢にも言える。
同連合会では何期か続けて赤字の場合や、「不祥事」があった場合、
その他いろいろな基準を作って、
該当する場合反対票を投じるとしている。
しかし、赤字だからといって、環境が悪い中で、
なんとか建て直そうと努力している経営者の足を引っ張ることが、
必ずしも運用成績の向上につながるものでないことは明らかだ。
また「不祥事」といってもマスコミが一方的に断罪する
ケースが多い中で、その尻馬に乗って反対票を投じることは、
かえって経営に混乱を招くケースがほとんどだろう。
どうも、これらの動きを見ていて感じることは、
マスコミの論調に媚びておくことで自らの保身を図る一方で、
施策の効果や、それを実行するためのコストに極めて無頓着であるという
年金管理者の姿勢が如実に現れているということだ。
確かに年金の運用というのは特に短期的には偶然性の要素も大きく、
一生懸命努力して運用利回りを向上させても、
偶然によるバラツキの中に埋没してしまうことも多い。
そうであれば運用の向上よりもマスコミ向けのアピールに力を注ぐ者が
評価されるような土壌が生まれても不思議ではない。
しかし、そんな無責任な連中に我々の大切な年金が
粗末に扱われてはたまったものではない。
最近、盛んに報じられている年金保養施設による損失の問題も根っこは一緒だ。
年金危機の最大の原因は政府の経済運営の失敗だとしても、
このような「どうせ偶然に左右されるのだから」という年金管理者の甘えが、
さらに余計な損失を発生させていると考えざるを得ない。
それでは彼らはどうすべきなのだろうか。
まず、マスコミ向けのポーズでしかなく、
余計なコストを発生させるだけの企業の経営への口出しを止め、
コスト削減を含む運用利回りの向上に専念することである。
さらに言えば、決算確定日は株券を貸し出すべきである。
通常、配当金プラスαの貸し出し料で貸し出せるはずだ。
議決権行使はできなくなるが、運用利回りは確実に向上する。
マスターベーションに等しい議決権行使にこだわる運用と、
議決権を放棄することにより運用利回りを向上させる運用では
どちらが、年金受給者に対して誠実かは一目瞭然だろう。
とは言っても、そんなことをしたらマスコミから袋叩きにあうかも知れない。
マスコミにとっては年金の運用利回りの向上よりも、
年金基金がマスコミの言いなりに企業に圧力を掛けてくれることの方が
心情的に優先順位が高いからだ。
であれば、結局そんなことは実現しないのだろう。
年金に対する失望は深まるばかりだ。
http://village.infoweb.ne.jp/~fwhh1899/index.htm