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やり取りの経緯は末尾のリストをご参照ください。
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houさん、どうもです。
「供給→需要」の論理を少し間違って解釈されているように思われます。
houさん:「「デフレが、生産量増加に対する供給額増加不足=需要増加不足で起きる」
供給側が間違えた供給を行った場合、それだけで需要減につながるので、
それを、処理する機能が健全に作動すればよいのですが、できない場合がほとんどです
日本の場合はかなり組織が固定化されて、投資が不良債権になっているのにその供給活動をやめさせる機能がないのが問題なのではないでしょうか?」
供給される財の適否はそれほど問題ではありません。
間違った財の供給を行っても、そのための供給活動にはお金が投じられているわけですから、それが需要になり、間違った財はデッドストックになるとしても、他の財が“高く”売れるので需要減やデフレにはなりません。
国民経済の循環においては供給に投じられるお金が需要になるという、「供給額→需要」の論理を今一度お考えいただければと思います。
houさん:「デフレは、市場とのミスマッチを起こした企業をどのように処理するかにかかっています。
デフレを早期に払拭させるためには、不良債権の処理を小さい段階で処理する機能が必要です。
しかし、そのような機能がないところは、供給額を増やせば、需要が増加すると勘違いして、従来の組織システムで同じような供給を行ってしまうのが問題なのだとおもいます。
これでは、需要は貯蓄にまわることしかできず、せっかくの供給増加を打ち消してしまいます。
そして、従来のシステム維持のためさらに、貯蓄までもが不良債権に投資されていくという悪循環がめぐってきます。
そして経済はデフレに向かうのではと考えます。」
これまでの日本の大きなあやまりは、「供給額を増やせば、需要が増加すると勘違い」していることではなく、その論理を理解しないまま、「赤字財政支出で需要を増加させれば供給側が活発化する(景気が良くなる)」という政策を採り続けたことです。
そのために、膨大な政府債務が積み上がり、建設関連など特定業種という偏った需要増加しか達成できませんでした。そして、政府債務の膨らみが国民負担の増大として跳ね返るなかで、供給額(給与)から需要に回る金額が減少するという悲劇を招いています。
不良債権処理は、国費を使って(=銀行の国有化)一気に行うべきだと考えています。
ダラダラとデフレ不況が続き、ダラダラと赤字財政支出を続けるより、40兆円ほど一気に投入して処理したほうが、総額での国民負担も少なくて済み、経済状況も早く回復します。
いわゆる“ゾンビ企業”をどうするかは、そこから考えるべき課題だと思っています。
デフレにおいては膨大な設備を抱える企業は徐々にであれ財務状況を劣化させていきます。そのような状況で“ゾンビ企業”と認定して破綻させていけば、その余波(供給額減少=需要減少)を受けて健全な企業まで“ゾンビ企業”に近づいていくことになります。
houさん:「ようするに、供給額の増加は行ってもいいですが、その前に従来の産業システムではなく組織を入れ替えて、需要を(貯蓄が消費に直接まわるように)召還できるような産業構造にするべきなのです。」
「需要を(貯蓄が消費に直接まわるように)召還できるような産業構造」とはどのようなものかイメージできませんので説明していただければ幸いです。
houさん:「日本は法律や条令、自己規制、通達など官僚の統制のもと事前チェック方式の阿吽の呼吸の元、経済を軌道に乗せてきました。
その経済の組織には、供給側の考えしかなく、計画も適当でした、誰が責任を取らなくてもある程度、供給額をあげれば需要が後追いするようになっていましたが、その規模が大きくなるにつれ、統制が困難になってきました。」
まず、企業は、好不況に関わらず財政支出の拡大を求めていたことからもわかるように、自分のお金を先に使うのではなく、いかに政府(国庫金)など他が先にお金を使うことを求め続けてきたと言えます。(これは、需要の増加を政府など他に求めてきたことを意味するもので、供給額を増やそうという姿勢ではありません)
「供給額をあげれば需要が後追いするようになっていました」というものではなく、設備更新を通じた生産性の上昇が輸出増加につながり、輸出増加がさらなる設備投資(就業者の増加も)や給与アップに結びつくというサイクルが高度成長期の日本でした。
このような条件があったからこそ、石炭産業や繊維産業などの衰退から吐き出される失業者を吸収し完全雇用状況を維持してきました。
(官僚統制の成功という見方は、結果オーライから生まれた神話だとも言えます)
このような条件がないなかで、政策的に“ゾンビ企業”(過剰債務企業)を破綻させていけば、健全な企業まで“ゾンビ企業”に落ち込むことになり、組織の再編や再構築も達成できません。
houさん:「日産がいい例でしょう。
多額の投資を、供給する側の立場のみで構成したのような典型的な例です。
たとえば、普及型の旧マーチなどの車に、クラウン級の透過性能力をもつヘッドライト
などをつける理由があるでしょうか?
このような、事例はゴーン氏が改善していきましたが、これは、明らかに供給側ののみの計画により、供給額が無駄に使われている例です。
その供給額が多くなればなるほど(GDPに占める割合が上昇するほど)生活コストがかかっていきます、しかも意味のない生活コストです。
これぞ、バブルであり供給側のみの計画に基づいた失敗といえるでしょう。」
ミクロの日産は誤った経営でドジりましたが、その要因となった馬鹿げた供給(投資)はマクロでの需要増加になったというのが、「供給→需要」の論理です。
日産が供給活動に間違った投資をすることで、日産は没落し、他の企業は潤ったのです。
ミクロとマクロは峻別して考察する必要があります。
houさん:「供給がふえて、需要が一時的に増加しますでしょうが、それは、ほんとバブルの範疇でしかありません。」
供給額の増加(中心は給与のアップ)であれば、地域振興券やボーナス増額などに較べて持続的な需要増加につながります。
これが、「バブルの範疇」であるという論理をご説明いただければ幸いです。
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★ やり取りの経緯
最初のhouさんの投稿にジャンプすれば、以下はそのレスのかたちで読むことが出来ます。
houさん:「デフレは、生産過剰で起きるから、銀行が貸し出しをやめないといつまでもデフレ。」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/380.html
あっしら:「デフレは、生産量増加に対する供給額増加不足=需要増加不足で起きるものです。
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/388.html
houさん:「エンゲル係数が低く、マズローの欲求段階の高い国は、需要増加不足になりがちでは?」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/403.html
あっしら:「発展段階や財の多様性さらにマーケティング力でも変わることがないのが「供給額→需要」(供給=需要)の経済論理です。」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/410.html
houさん:「供給額のなかに混じる不純物。」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/413.html