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本日発行の「日刊ゲンダイ3・20」の9面に掲載されている「日本経済一歩先の真相 高橋乗宣告明海大教授」より:
見出し:「衝撃的だった家計の赤字転落」
「敗戦直後以来の非常事態」
記事内容:
「 衝撃的な結果だ。前代未聞である。日銀が発表した03年の資金循環統計で明かになった「家計の赤字」のことである。年間での家計の資金の出入りを示す「資金過不足」で資金不足になったのだ。
こんなことは、敗戦直後の昭和21年〜23年頃以来約60年ぶりのことである。しかも、02年の9兆2000億円あまりの黒字から、一気に1兆2000億円近くの赤字だから、フローの減少は猛烈な勢いというほかない。
かつて日本は貯蓄率の高さを誇ってきた。高いときは可処分所得の25%くらいを貯蓄に回していたし、平均しても16%前後の高い水準を維持してきた。ところが、これが98年頃からどんどん下がり始め、今や家計は貯蓄をするどころか、貯蓄を崩さなければ生活できなくなったわけである。実際、貯蓄ゼロの家計は2割に達しているから深刻だ。
大新聞の中にはストックの方に焦点を当て、「家計金融資産1400兆円回復」と、あたかも明るい材料のような間違った報道をしていたところもあったが、とんでもない。ストックが増えたのは、株価が前年よりも上昇して評価額が膨らんだからである。株価が同じなら、ストックも減っていたはずだ。
しかも、家計はギリギリまで追いつめられている。統計の内訳を見ると、保険・年金準備金が5兆円弱の減少で、株式以外の証券も3兆9000億円減った。収入が減った穴埋めに、保険を解約したり、債券を売却したが、それでも追いつかなかったという悲惨な姿になっている。
日本経団連の奥田会長は、春闘を前に「住宅ローンや教育費、生保など家計に過重な負担になっている支出を見直すべきだ」といった無責任発言をしていた。今や家計は、簡単にやれることなんて、とっくに手をつけてしまったのである。教育費でいえば、塾や稽古事は減らした。しかし、子供の学校を私立から効率に変更することは難しいという段階である。ラチェット(歯止め)効果が働き、簡単には下げられない水準まで達しているのだ。
ところが、この先も、家計が赤字から脱する見込みは少ない。今年の春闘でも、ベースアップの要求は、早い段階から姿を消した。一方で年金保険料の増加や控除の廃止などで公的負担は増える。それでも株価が上昇し続ければ、ストックは増え続けることになるが、しょせん夢物語である。
経済が収縮するデフレから脱出できない限り、家計の黒字回復も難しいだろう。
(毎週金曜掲載)」
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★ 関連記事(一番上の記事がスレッドになっています)
※ 主要メディアとして朝日新聞はないが、見出しの付け方で各メディアの考え方を窺い知ることができる。
「家計が初の資金不足に転落 03年、貯蓄余裕なし(福井新聞)」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/285.html
「昨年末の家計金融資産1410兆円、昨年1年で家計は初の資金不足 (ブルームバーグ)」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/286.html
「家計金融資産、3年ぶり増加nikkei」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/287.html
「家計金融資産残高、2年ぶりに1400兆円台回復=日銀 [ロイター]」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/290.html
「03年の家計1兆2千億円不足、住宅ローン10兆円増 [読売新聞]【メディアはどう扱ったらいいか迷っているようだ】」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/311.html
「資金循環統計:家計の金融資産残高、3年ぶり増加 [毎日新聞]【日銀のレクチャー内容を知りたい】」
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/312.html