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「ミスター・ドル」溝口善兵衛財務官の狂気の沙汰 --- 為替介入は続ければ続けるほどやめられなくなる
2004年3月18日 木曜日
◆円大幅続伸、107円台前半=1カ月ぶり高値−東京市場
18日午前の東京外国為替市場の円相場は、政府・日銀が介入姿勢を大幅に後退させたとの観測から、海外勢を中心とした円買い・ドル売りの動きが一段と強まり、1ドル=107円台前半に大幅続伸した。東京市場で107円台前半をつけるのは、2月20日以来、ほぼ1カ月ぶり。午前11時現在は107円26〜28銭と、前日に比べ1円ちょうどの円高・ドル安。 (時事通信)
[3月18日13時2分更新]
◆溝口財務官の介入 究極の円高政策だった?
03年の日本の外国為替政策は国際金融史上で、長く記憶にとどめられそうだ。米国に次ぐ経済力を持つ日本が外為市場で円高阻止のため、しゃにむに自国通貨売りを続けてきたからだ。
財務省は1月半ばから11月までに日本銀行を通じて、20兆円にも迫るドル買い・円売りの市場介入を行った。この間、米国や欧州連合の通貨当局は音無しの構えだ。
結論的にいえば、外国為替資金特別会計の介入に必要な資金の限度近い巨額介入という選択は、失敗と言わざるを得ない。円高阻止の目的とは裏腹に、円相場は年初の120円前後から、一時、106円まで高くなり、現在も107円だからだ。
為替政策の元締めは溝口善兵衛財務官である。1月14日に就任したが、初会見で「行き過ぎがある時は適切な措置を取る」と強力介入を表明した。後講釈になるが、これで投機筋は円を買っても大丈夫という感触を得たに違いない。
この時点で、円高阻止策としては、徹底介入の日常化以外にも、口先介入や要所での介入などの選択肢もあった。また、放置する手もあった。
歴代の財務官はそれを組み合わせて、相場に対応してきた。97年夏から99年夏まで在任した榊原英資・現慶応大教授は、口先介入が得意だった。ミスター円といわれたように、海外での知名度の高さがそれを可能にした。
海外の通貨当局関係者とのパイプが太い後任の黒田東彦・現内閣参与は、要所での限定的介入に特徴があった。
景気が微妙な時期に就任した溝口氏には、政府・与党からの円高阻止圧力が強かっただろう。そこで、あわよくば日本の体力に見合った円安を演出したいという決意で当たったに違いない。夏ごろまでは120円をはさむ水準に抑えることができた。米国が日本への景気配慮から、沈黙を保っていたことが支援材料になった。
ただ、増大する米国の国際収支、財政収支の赤字を嫌気してドル離れ傾向が鮮明になっており、円高は必然であった。9月の一連の国際金融会議で、日本の市場介入批判が出なくても、いずれ円相場は上がっただろう。
為替介入は続ければ続けるほどやめられなくなる。そのための資金もかさむ。政府は03年度補正予算案と04年度当初予算案では介入資金調達の上限を79兆円から合わせて61兆円も引き上げた。「円高悪者論」を堅持しようというものだ。狂気の沙汰(さた)ではないか。
米国の「双子の赤字」に不安が高まっている状況下では、ドル買い・円売り介入を続けても、ドル安傾向に変化はない。いくらでも介入するとの決意は、ドル売りに安心感を与える。介入が膨らめば外為特会のドル資産も増える。その資産は円高では目減りする。
何のことはない、溝口財務官の選択は究極の円高政策、海外資産目減り政策だったのではないか。
(毎日新聞 12-23-00:19)
◆円売り介入21兆円は何のため
全税収の半分にも
昨年日本政府が行った約二十一兆円というドル買いがどれくらい巨額かというと、日本の個人所得税税収十三兆八千億円をはるかに上回り、法人税収(九兆一千億円)、消費税収(九兆五千億円)のそれぞれ二倍以上で、日本の全税収約四十二兆円の半分にも相当する。一方でその税金をどれくらい国民のために使っているかといえば、社会保険や福祉、失業対策などの社会保障に十八兆九千億円、公共事業に八兆円、防衛に四兆九千億円と二十一兆円にはどれもはるかに及ばない。
なぜなのだろう。政府は介入を円高抑制のためというが、円安を喜ぶのは海外市場で売りやすくなる輸出業者であり特定企業の利益になることをすることは政府の役割ではない。過去四十年間、輸出総額は日本のGDPの約10%であるが、輸入総額もGDPの約9%を占める。円安がマイナスとなる輸入業者を罰するような介入を政府は借金をしてまで行うべきではない。日本がほぼすべて海外に依存している天然資源や食料をより高くし、その一方で輸出企業が海外で製品を販売しやすくすることを助ける日本政府に、なぜ国民は黙っているのか。円安は輸出企業にとっては良いが、日本国民の所得や貯蓄の世界における相対的購買力が下がることでもあるのだ。
1兆円以上の損失
二十一兆円の介入が不公平であるという事実に加えて、国際金融市場において一国の政府の介入で円安を維持することが不可能だということはすでに明白である。外国為替市場で日本政府は弱小プレーヤーに過ぎず、為替に及ぼす影響は瞬間でしかない。世界で一日に三十兆円に近い金額が投機家によって売買されている外国為替市場で一年間二十一兆円の介入など、山火災をバケツで消そうとするに等しい。事実二〇〇三年に二十一兆円もの介入を行ったにもかかわらず、ドルは一月の百十九円から年末には百七円と、11%下落した。これだけでも政府は一兆円以上も損をした計算になる。
先週、IMFはドル急落の危険性を警告し、アメリカのスノー財務長官は「強いドルがアメリカの国益にかない、ドル安は歓迎しないが通貨価値は市場が決めるべきだ」とドル安阻止の市場介入を否定する中で、まだ日本政府はドル買いを続けている。ドル高になればなるほど日本政府の保有するドルの価値は減少する。日本政府がこんなにも愚かな、または不道徳なことを国民のお金を使って行っているということを、私は信じられらない。しかしこれは事実なのである。
さらに財務省はこのドル買い介入資金の借入枠を七十九兆円から百四十兆円に増やすという。百四十兆円まで世界最大の貿易赤字と財政赤字を抱える債務国の通貨を買うのだという。まだ日本が独立国だと信じている人がいたら、日本は売国奴によって統治されていないかどうかを問いかけてみるべきだ。日本がアメリカの属国だと信じている人は、現地人を搾取することにおいて完ぺきにその役割を果たしている小泉総督を称賛するべきであろう。(アシスト代表取締役)
(私のコメント)
日本の官僚組織の一番の欠点は自分達の誤りを認めようとしないことだ。小さい頃から神童と呼ばれ学業成績はいつもトップで、エリート校を卒業して財務省に入り出世もエリートコースを歩んできた。彼らの組織は磐石であり、彼らのすることは無謬であり、国会議員を自在に操る手腕は日本の権力組織の中枢だ。
彼らに何故それほどの権力が集中しているのかというと、日本の政治組織は飾り物であり、総理大臣や各官庁の大臣は実質的な権力を持ってはいない。日本国民を民主国家であるかのごとくに騙す手段なのだ。ではどこが最高権力を持っているのかというとアメリカの国務副長官のアーミーテージ総督だ。
有名なエピソードとして、アメリカ大使館に森前総理と中曽根元総理と古賀元幹事長が呼びつけられ、小泉内閣を支えろとベーカー駐日大使に命令されたことは有名な事実だ。だから自民党は小泉内閣を倒すことは出来ないのだ。倒すためには選挙で自民党が敗れるしか小泉内閣を倒すことは出来ない。
政治が飾り物である以上、日本を統治しているのは官僚組織であり、政治組織ではない。我々が選挙で選んでいる国会議員はただの特別公務員であり、憲法一つとっても改正したことがない、何も出来ない組織なのだ。憲法を改正するだけの力があるのなら、とっくに憲法を改正して独立国家になっていたはずだ。しかし実際はアメリカの植民地に過ぎない。
だから財務省の官僚達も財務大臣や総理大臣の指示よりも、アメリカの奥の院からの指令で動いている。だから表向きはスノー財務長官も強いドルを望むと言っておきながら、陰ではドルの買い支えを指令している。そうでなければ21兆円もの為替介入が日本単独で出来るはずがない。
日本の政府・日銀がドル買い介入をやめたらどうなるか火を見るより明らかだ。日本の国益を考えたらドル買い介入よりも、その分を日本の景気対策に使ったほうがよほど国益に適う。国内の景気が回復して内需が拡大して輸入が増えれば貿易黒字も減ることで為替相場もバランスするだろう。そんなことは分かりきったことなのだが、それではアメリカが困る。
日本の主流エコノミスト達や財務官僚は財政赤字が大変だ、均衡財政のために増税しろと言っている。ところが為替介入資金として21兆円もの借金増加には何も言わない。その借金返済のためにドル債を売ることは出来るのだろうか。出来はしない。財務省の役人達にとっては為替介入の過ちを認めたく無いから、国家予算並みのドル買い介入を繰り返し、日本を滅ぼすつもりのようだ。
経済コラムマガジン 日経の貧乏神