現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産34 > 357.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
【記者:進藤一州】 3月18日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、ドルが対円で急落。午後の取引では一時1ドル=106円72銭付近まで水準を切り下げ、約1カ月ぶりのドル安値を更新した。年初から大規模に実施されてきた政府・日銀の市場介入が縮小するとの観測が根強いなか、実際にこの日の東京時間はドルの反発を促すような目立った介入は行われず、ドルの買い持ちを縮小するためのドル売りが相次いだ。
HSBC国際金融本部の荻野金男外国為替部長は、「日本が米雇用統計(5日)が大幅に市場予想を下回った直後にも介入をしたとの見方が一般的だが、こうした行き過ぎた行動に米国が不快感を示したのは明らか。スノー米財務長官もダメ押しのような発言を繰り返している。介入期待で膨らんだドルの買い持ちが、大台が変わるたびに切らされている」と指摘した。
スノー長官は17日、米経済専門局CNBCとのインタビューで、国家が自国通貨を切り下げることによって経済成長を維持することはできないとの米国の考えを、日本は「十分承知している」との認識を示した。同長官は8日も同様の趣旨の発言を行っており、同日のニューヨーク市場では長官発言直後に1ドル=112円付近に観測されていた政府・日銀のドル買い注文が引いたとの見方が広がり、112円割れから111円10銭までドルが急落していた。
この日のドル・円相場は午後2時ごろ1ドル=107円を下回り、106円台へ突入。106円72銭付近まで値を下げ、約1カ月ぶりのドル安値を更新した。早朝に記録した高値108円36銭からの下落幅は最大で1円64銭に及んだ。106円台でドルに値ごろ感が生じたため、輸入企業などのまとまったドル買いが数件持ち込まれ107円台を回復したが、ドルの戻りは鈍かった。
市場関係者によると、政府・日銀は午前の早い段階において1ドル=108円 00−10銭付近で少額の介入を実施したもようだが、円買いの勢いを止められなず、明確に108円を下回った午前10時以降は介入を見送る姿勢を決め込んでいるようだ。
このため、ドル安・円高の流れは止まらず、ドルの水準切り下げによって内外投資家らの介入期待で積み上がったドルの買い持ち高を解消するためのドル売りが断続的に持ち込まれ、さらにドルが下落する悪循環に陥っている。午前の108円台では輸出企業や国内金融機関のまとまったドル売りが、仲値の設定される10時前後に持ち込まれ、107円90銭台からの損失を限定するためのドル売りを誘発した。
底上げ前に逆戻り
三井住友銀行市場営業統括部の宇野大介アナリストは2月の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)以降、「無秩序な動き」と「市場原理」のバランスによって相場が変動し、その幅は1ドル=109円を中心に上下3円程度とみている。「今月上旬の112円台が無秩序な動きへの偏りとして現在はその揺り戻しが起こっている」として、106円付近までのドル安が進む可能性があるとみる。
政府・日銀が2月の下旬に市場の意表を突いてドルの底上げ的介入を本格化し、3月上旬の1ドル=112円台到達の起点となった108円付近は、目立った抵抗もなく通過。2月上旬のG7前後にさらされた105円が視野に入る水準に立ち戻ってしまった。介入期待で膨らんだドル買いの反動による円高・ドル安だけに日本の金融当局も当面は打つ手が限られそうだ。
市場では、「108円付近はテクニカル的にも、心理的にも介入を期待しやすい、裏を返せば危険なポイントといえ、同水準を明確に下回った場合は105−106 円の可能性も否定出来ない」(シティグループ外国為替トレーディング部の川口智久バイスプレジデント)と、円の先高観が急速に強まっており、一時的にドルが反発する局面ではドルの戻り売りが着実に持ち込まれそうだ。
対ユーロは2月上旬以来の円高水準
ユーロ・円相場でも円高が進行。17日の海外市場で記録した2月上旬以来のユーロ安値131円70銭をユーロ安方向に抜け、午後の取引ではドル・円相場での107円割れに連れて131円13銭付近まで円高・ユーロ安が加速した。その後はドル安・欧州通貨高の影響でややユーロが買い戻され131円半ば近辺で推移した。
クロス・円取引に関しては、国内株の上昇による海外勢からの資金流入期待や高金利通貨に対する円キャリートレード(低金利の円で調達した資金を高金利通貨に投資する手法)の反対売買による円買い、さらには期末を控えた国内勢のリパトリエーション(自国への資金回帰)観測も加わり、すでに、8日の高値139円04銭から2週間で8円近く円高が進んでいる。1月30日につけた年初来のユーロ安値130円76銭を下回った場合は、さらにユーロ売りが膨らむ可能性がある。
ドル・円相場でドルが大幅下落した影響で、ユーロや英ポンド、スイス・フランなどの欧州通貨は上昇。ユーロの対ドル相場は1.2222ドルを安値に一時 1.2288ドル付近まで水準を切り上げた。
16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、雇用情勢に関する見方が後退したため米国の利上げは先送りされるとの見方が優勢となり、ドルに対する下落圧力となっている。 また、イラクでテロ事件が頻発していることもドル買いを見送る要因となている。17日にはイラクのバクダッド中心部のホテルで爆発が発生。AP通信によると少なくとも27人が死亡したという。米軍関係者の話では、自動車による爆弾テロの特徴があるという。
東京時間午後3時20分 前日比 17日のニューヨーク午後5時半時点
ドル・円 107.08 −1.20 108.28
ユーロ・ドル 1.2283 +.0046 1.2237
ユーロ・円 131.53 −0.95 132.48
更新日時 : 2004/03/18 15:36 JST
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=ag9_bKaaoGts&refer=jp_news_index