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【記者: David Plumb 】
3月12日(ブルームバーグ):米資産家のウォーレン・バフェット氏が 2002年以降、自国通貨ドルへの信頼を日に日に失っていると語ることにどのような意味があるだろう。
同氏が6日にドル以外の通貨120億ドル(約1兆3000億円)相当を購入したと報告したことへの市場の反応を見ると、大した意味はないということになる。その後、ドルは主要6通貨で構成される通貨バスケットに対し0.4%上昇、国債利回りは8カ月ぶり低水準に下落(相場は上昇)している。
バフェット氏は、過小評価されている資産に投資することで財を成してきた。同氏は、米経常収支赤字が昨年1−9月の四半期平均で1377億ドルに膨れ上がり、過去2年間でドルが11%下落するなか、投資内容を公開したが、市場にはほとんど影響を与えなかった。その理由はほかの多くの投資家もバフェット氏と同様の結論に達していたからで、その時期は同氏よりも早かったかもしれない。
バンク・オブ・アメリカのシニア通貨ストラテジスト、ジョン・ロスフィールド氏は「バフェット氏は為替市場の専門家だとは思わない。現在のドル相場を動かしているテクニカル要因はたくさんある。バフェット氏の発言が市場に与える影響は、通常よりも低下している」と指摘する。
ドルのだふつき
バフェット氏は6日に投資会社バークシャー・ハザウェイの株主に送った年次書簡で、海外投資家の間で「ドルがだぶつき続ける」ことに対して懸念を表明。11日に発表された1月の貿易赤字は過去最大の431億ドルに達した。
これに対し、アラン・グリーンスパン連邦準備制度理事会(FRB)議長は海外投資家による米経常赤字の穴埋め継続に大きなリスクはみていない。議長はことし1月の講演で、「現状で、米国の経常赤字補てんが困難になっているとの証拠はほとんどない」と語った。また国内総生産(GDP)に対する経常赤字の割合が過去最高水準に拡大していることに触れ、「ドルの外国為替レートを除けば、影響はないようだ」と述べた。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のポール・マカリー氏は5日、金融当局はインフレが抑制されているとみているため、赤字は問題ではないと述べた。金融当局がインフレ抑制のための利上げは必要なしとみている限り、赤字とドル安は無視できるとみる。同氏によると、ドル安は「米国の問題ではない」という。
バフェット氏は6日、5通貨に対する投資規模を公開。米国は過剰消費の穴埋めとして、海外投資家に「巨額の国内資産を無理やり押し付けている」と指摘、「その結果は想像するしかないが、厄介なことになるかもしれない」と語った。ラザードの元マネジングディレクター、フェリクス・ロアティン氏は、経常赤字の拡大は将来米国にとって負担になるとして、バフェット氏を支持する。
適切な投資
バフェット氏は保有するバークシャー株式による442億ドルの資産で、パソコンソフト最大手マイクロソフトのビル・ゲイツ会長に次ぐ世界2位の富豪。 353億ドル相当を清涼飲料最大手のコカ・コーラ、クレジットカード米4位のアメリカン・エキスプレスなどの株式に投資しており、318億ドルの含み益を上げている。
同氏が過去に発した警告の一部は、洞察力を持ったものだった。1990年代にコンピューター関連株への投資を避け、2000年初めのハイテク・バブル崩壊を回避した。同時に、資金を株式市場から資金を引き揚げ、相場が急騰する直前の高利回り債などに投資していた。
バフェット氏は「わたしの過去のマクロ経済予想での成績はお寒いものだ」としたうえで、「1987年からずっと、拡大し続ける貿易赤字に対する懸念を公に指摘し続けているが、周知のようにわれわれはこの問題を乗り越えたばかりでなく、繁栄してもいる。従って、貿易収支の面では、虚偽を伝えて人を騒がせる『オオカミ少年』のレッテルを少なくとも1つは付けてもらっていい。それでも、わたしはまたオオカミ少年になる。今回はバークシャーの資金をも投じてだ」と語った。
ただ、ドル以外の資金に投資するといっても、バークシャー全体の資産の 6.6%にとどまっている。
バフェット氏は投資家向け書簡で、「当社はこれまでも、そしてこれからも、資金の多くの部分を米国資産に投資していく」考えを示している。
原題:Buffett's Says He Bet Against Dollar; Currency-Market Yawns(抜粋)
更新日時 : 2004/03/12 15:24 JST
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=af9cupGV9Wvg&refer=jp_us