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義理(G)と人情(N)、プレゼント(P)を駆使した“GNP”営業で、日本を生命保険大国に押し上げた生保レディーが、苦境に追い込まれている。
給与減やリストラへの不安から消費者の生保離れが進んでいるほか、昔のようにオフィスに自由に入って営業を行うことが難しくなったことが背景にある。外資系生保の攻勢や、金融庁の金融審議会(首相の諮問機関)が保険商品の銀行での窓口販売(窓販)の全面解禁に向けた検討を1月から始めるなど、強力なライバルの出現も生保レディーを脅かす。
「年齢や家族構成を考えると、同じ保険料なら死亡保障より医療保障を充実させた方が安心ですよ」
東京・品川区の大手企業の昼休み。日本生命千代田支社の営業職員、小山恭代さんは、契約者の希望を聞きながら、携帯端末の画面で素早く保険を組み立てる。
お決まりのあめ玉やプレゼントはなし。契約者に合った保険の提案に力を注ぎ、CMで広く知られた昔ながらの「日生のおばちゃん」のイメージはない。
警備上の問題で、昔のように企業にフリーパスで出入りできる“特権”も失われた。得意としてきた密度の濃い営業はしにくくなっている。この会社も、社内で営業できるのは昼休みの1時間だけ。少ない時間で契約を取るには、「お客さんの要望に応えた商品を的確に提案できるかどうかが勝負」(小山さん)だ。
生保業界は、不景気のあおりで新規契約の低迷と解約増に苦しみ、個人保険の保有契約件数は7年連続で減少している。特に大手生保の苦戦が目立つ。
生保離れで思うように契約が取れず、ベテラン営業職員でも「平均で収入はピークから3割ほど減った」との嘆きも聞こえる。最初の2年で7割が辞めると言われ、業界全体の営業職員数は、94年3月末の約42万1000人から、2003年3月末には約28万4000人まで減少した。
今後、銀行窓販が本格的に解禁されれば、「銀行が貸し手の立場を利用して中小企業に圧力販売する恐れがある」(大手生保)。生保レディーの活躍の場が一段と狭まりかねない。
そんな大手を尻目に、外資系生保は堅調だ。昨年3月末には、アメリカンファミリー生命が、個人保険の保有契約件数で最大手の日本生命を初めて上回った。
高度な金融知識を持つ営業職員によるコンサルティング、徹底したコスト削減による割安の保険料など、質重視のスタイルが外資系生保の人気の秘密だ。
デフレで財布のひもは固く、義理人情では契約は取れない。「旧来型営業職員の時代は終わった」(外資系生保)との声も多い。
こうした批判に、大手生保は「契約者の声を聞き、良質な保険を取るためには営業職員中心の手法は有効」(宇野郁夫・日生社長)と反論し、生保レディーの質向上で巻き返しを図る。
商品知識だけでなく、税制、年金など幅広い知識を持たせるため、営業職員の研修時間をこれまでの1・5倍以上に増やすなど、職員教育に力を入れ始めた。
得意とする人間関係重視の営業の利点を生かしながら、いかに商品知識や提案力を高められるか。契約者の視点に立った営業職員の改革が、大手生保復活のカギを握っている。
(2004/3/11/13:32 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20040311i506.htm