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【経済コラム】FRB議長が懸念するアジアの根拠なき熱狂?W・ペセック  [ブルームバーグ]【ドル買い介入関連】
http://www.asyura2.com/0401/hasan34/msg/109.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 06 日 16:08:49:Mo7ApAlflbQ6s
 


【コラムニスト: William Pesek Jr.】

3月5日(ブルームバーグ):もし中央銀行当局者を困らせたければ、為替市場について質問するといい。いすの上で態勢を整え、床を見つめ、「ノーコメント」とだれもが答えるに違いない。

  世界で最も影響力のある中銀当局者、グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は9日、ニューヨークで講演し、アジアの中銀は近く「尋常ではない」ドル買い介入の規模を減らす可能性があると述べた。真意はどこにあるのだろうか。もっと当惑するのは、なぜ議長がそのプロセスを早急に実現させようとしているようにみえるのかということだ。

  この講演内容はアジアにおいては、日本と中国にドル買い介入を抑制するよう求めるグリーンスパン議長のシグナルと一般的に受け止められた。アジア中銀のドル資産は過去2年間で計2400億ドル(約27兆円)増加。日本と中国のドル資産残高は合計で1兆ドルを超えている。

  グリーンスパン議長は2つのリスクを気にかけているようだ。1つは、アジア中銀の積極的な米国債購入が米金融当局の政策に与える影響。2つ目は、アジア中銀の買いが世界中の債券市場で、ある程度の「根拠なき熱狂」の原因になっている可能性だ。

  日本の債券利回りが長年にわたって低水準を維持してきたのを受け、投資家は、債券市場の圧力鍋が爆発する可能性を恐れている。日本ほどではないにしろ、米国の債券利回りも持続不可能な水準に低下している。

              新たなバブル

  現段階で支障はない。米金融当局は現在、45年ぶりの低水準にある政策金利で米国を後押ししようとしている。ただグリーンスパン議長は、景気回復や株価上昇を理由に、「緩和的な」金融政策はある時点で「より中立的な状態」に戻す必要があるとの考えを示した。

  問題は、アジア中銀が米金融当局の足かせになる恐れがあることだ。アジア中銀が米国債購入を続けることは、米当局が緩和的な状況の解消を目指そうとする際には、米当局の意向に反することになる。

  アジア中銀がドル相場を押し上げる努力は、新たなバブルを発生させる可能性がある。政府・日銀は2月25日までの2カ月間で総額10兆5000億円の円売り介入を実施した。過去最高を記録した昨年1年間の介入額の5割以上に上る規模だ。日銀は介入で調達したドル資金で米国債を購入する。この結果、米国の金利水準は日本のような低金利に達しており、2年物米国債の利回りは 1.66%となっている。

             ほかのバブル

  グリーンスパン議長が心配するバブルはほかにもある。記録的な米経常赤字や中国経済だ。国内総生産(GDP)の約5%を占める米国の貿易赤字に対する投資家の警戒感は強い。中国の爆発的なマネーの伸びもまたしかり。昨年の同国のマネーサプライ(通貨供給量、M2)の前年比伸び率は20%と、上限目標の18%を上回った。昨年12月のインフレ率も3.2%と、6年半ぶりの高水準だった。

  アジア諸国が自国通貨を押し下げる努力は、世界の市場に必要な調整を遅らせている。赤字は心配にあらずと主張する市場関係者も、米国の大幅な赤字の持続性には疑問を持っているに違いない。記録的な財政赤字は米経済の1つの問題であり、経常赤字の拡大は明らかにそこにある危険だ。

  ドルが下落しない限り、米国の赤字拡大は続き、不均衡はより大きくより危険なものとなる。アジア政府がドル安を容認すれば大いに助けになるはずだ。しかし、現在アジア政府が取り組んでいるのは、一国の成長拡大はその国の通貨上昇につながるという経済の法則への挑戦だ。

             ドル資産の積み上がり

  アジアの富は、米国の動向に大いに左右される。景気拡大によって米国の消費者がアジア製品の購入を増やせば、自国通貨下落に伴う短期的な痛手など問題にならないのではないか。結果がすべてではないだろうか。アジアが自国通貨安にこだわる理由は、短期的にも長期的にもほとんど意味がない。

  それよりも大きなリスクは、アジア諸国が保有するドル資産がかつてない高水準に達していることの副作用だ。このリスクにグリーンスパン議長も懸念を抱いている。議長は1996年に米株式市場に根拠なき熱狂を警告した。この警告が債券市場の教訓になっていないとすれば、世界の金融システムは問題を抱えていることになる。それも大きな問題を。 (ウィリアム・ペセック・ジュニア)

 (ペセック氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Greenspan Eyes Irrational Exuberance in Asia: William Pesek Jr.

更新日時 : 2004/03/05 15:45 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html

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