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http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20040630k0000m040151000c.html
食用油の原料として輸入された遺伝子組み換えセイヨウナタネを荷揚げ作業中に種子が風で飛ばされ、輸入港の茨城県・鹿島港周辺で生育していることが29日、農林水産省の調査で分かった。同省は「環境への影響はない」としているが、研究目的以外の組み換え植物の意図しない生育が国内で確認されたのは初めて。
調査と分析は02年5月〜今年3月に実施。鹿島港の陸揚げ地点を中心に、半径5キロ以内の交通量の多い交差点48地点でセイヨウナタネの生育状況を調べた。
02年の調査では48地点中25地点でセイヨウナタネを確認した。各地点から種子と植物体を1点以上採取し、遺伝子分析をした。その結果、種子20点のうち6点、植物体7点のうち2点から、導入された組み換え遺伝子が見つかった。組み換えセイヨウナタネは、除草剤耐性遺伝子を組み込むことで、除草剤で枯れないように開発された。
遺伝子組み換え植物は農場の外の植物に影響を与えないよう、厳重に管理されなければならない。国内では一般の畑での実用化が始まったばかりだ。いずれも従来ある植物との交配の心配ないものだけが認められている。今回見つかったセイヨウナタネが属するアブラナ科は受粉しやすく近縁種が多いため、在来ナタネなどと交雑する可能性があるという。
同省農林水産技術会議事務局技術安全課によると、セイヨウナタネはカナダから鹿島港に穀物輸送船で輸入され、船倉からベルトコンベヤーなどで荷揚げされ、同港にある工場で油を搾る。荷揚げ作業中に風で飛ばされたり、港に出入りする車のタイヤなどに付着したりして、交差点の植え込みなどで運ばれ、発芽したのではないかと推測している。
遺伝子組み換えセイヨウナタネは主に食用油として使われ、同省などは安全として承認している。同課は▽除草剤が使われない環境では、周辺の植物を駆逐しない▽在来ナタネと交配しても、その種子が芽を出す率は低い−−などの理由で環境に影響は与えないとしている。【吉川学】
▽生井兵治・筑波大元教授(受粉生物学)の話 国内で組み換え植物の自生が確認されたのは初めてだ。セイヨウナタネなどアブラナ科植物は受粉しやすく、組み換えではないナタネや近縁種と交配して遺伝的な広がりが起きることは海外でも実証されている。どれだけ離しても交配を完全に防ぐことはできないので、国は遺伝子組み換え作物の広がりを厳しく監視すべきだ。
毎日新聞 2004年6月30日 3時00分