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笹山登生の掲示板 http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi#6354 より転載
あまり日本では紹介されていないオーストラリアのBSE検査体制について、ここで紹介しておきたい。
オーストラリアのBSE検査体制は、National Transmissible Spongiform Encephalopathies Surveillence Program(NTSESP)と、いわれるものだ。
このプログラムは、次の三つの意味をもつ。
第一は、開業獣医や、と畜場の獣医が、臨床学的に見て、神経症の兆候を見せ、TSE(transmissible spongiform encephalopathy)が疑われる牛について、政府の獣医がフィールド調査を行うこと。
第二は、そのうち、TSE(transmissible spongiform encephalopathy)でなく、単に、神経症症状を見せるものを摘出するため、過去の臨床学的履歴を提出させ、研究所の獣医によるスクリーニングを行う。
第三は、TSE診断について訓練された獣医の組織病理学者が、二才齢以上のすべての牛の脳について、神経症の履歴を持ったものかどうかについてスクリーニングをし、TSEの障害を持つものを検出し、それ以外の牛については、TSEでない診断を下す。
このスクリーニングの方法によって、たとえ、それが、オーストラリア全土の牛や羊の1パーセントに神経障害が生じたものであっても、90パーセントの確率で、BSEやスクレイピーへの罹患を検出することが出来るという。
このためには、少なくとも、オーストラリア全土で、牛については、400、羊については450の数についてのスクリーニングを行う必要があるとしている。
以上に見たように、オーストラリアのBSE検査体制は、確率論に基づくものであり、日本の検査体制とはまったく異なるものである。
ちなみに、オーストラリアの2003年における 検査数 464 と畜数 9,229,000 これまでのBSE牛総発見数 0である。
National Transmissible Spongiform Encephalopathies Surveillence Program(NTSESP)についての参考サイトは次のとおり。
http://www.aahc.com.au/hot_issues/bse.htm
http://www.aahc.com.au/surveillance/ntsesp/
http://www.aahc.com.au/surveillance/ntsesp/ahquart.htm
http://www.nt.gov.au/dbird/dpif/animals/disease_sur_programs.shtml