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http://www.asahi.com/science/update/0402/003.html
血流をよくする効果のあるドコサヘキサエン酸(DHA)の量を通常の倍にした魚を、東京海洋大学の吉崎悟朗・助教授(水産学)らが遺伝子操作によって初めて作った。鹿児島市で開かれている日本水産学会で2日発表した。
DHAは魚に含まれる脂肪の一種で、イワシやサンマなどに多い。動脈硬化を防ぐ働きなどがあるとされる。
吉崎さんらは、ヤマメのDHA合成酵素の遺伝子をゼブラフィッシュの受精卵に注入し、遺伝子を導入することに成功した。ヤマメの遺伝子を使ったのは、ゼブラフィッシュがもともと持っていた遺伝子と区別して解析するため。
これによってDHA合成酵素の遺伝子の数が増えたゼブラフィッシュでは、筋肉中のDHA含有量が平均で2倍になっていた。
研究はまだ淡水魚の段階だが、目標は海の魚への応用。海の魚は淡水魚と違ってDHA合成酵素の遺伝子がなく、プランクトンを食べてDHAをとっている。このため養殖では餌にDHAを混ぜなければならない。淡水魚のDHA遺伝子を導入してやれば、その必要がなくなる可能性がある。
ただ、魚類には遺伝子組み換え食品としての審査指針が確立されていないため、このような魚を作っても今のところ流通させられない。吉崎さんらは、欧米に先駆けて技術の特許をとり、将来にいかしたい考えだ。
(04/02 17:42)