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早くて安ければ、それでいいのか?
http://www.mainichi.co.jp/area/hokkaido/ishizawa/2004/040115.html
日本の伝統食を推奨する米国人
米国でBSE(牛海綿状脳症)感染牛が見つかって以来、米国産牛肉の日本への輸入が停止されている。そのあおりで、米国産牛肉に依存する外食チェーンは他の肉に切り換えたりと四苦八苦している。この際、他の肉などと言わず、いっそのこと、世界に冠たる日本の伝統食に切り換えたらどうか。
罪深き牛肉文明
米国の著名な評論家、ジェレミー・リフキンは著書「脱牛肉文明への挑戦―繁栄と健康の神話を撃つ―」(北濃秋子訳、ダイヤモンド社)で、日本の伝統食を「世界のモデルになり得る」と称賛する。
リフキンは、日本人の食生活に牛肉が浸透するにつれ、心臓病、脳卒中、がんの罹患(りかん)率が上昇しているとする医学データを示すと同時に、牛肉の生産が地球の生態系に及ぼす悪影響にも言及する。「日本人が食べるハンバーガーの一個一個が、熱帯雨林の減少、野生生物の絶滅、世界の放牧地の破壊に結びついている」と。先進国の牛肉消費をまかなうため、アグリビジネスがアマゾンの熱帯雨林を牛の放牧用に切り開いていることを指す。
さらに食肉の転換効率という問題もある。牛肉1キロの生産に穀物8キロが使われる。牛肉を通して穀物を間接的に食べるより、穀物を直接食べる方が、より多くの人間が生きられる。
持続可能な「食」とは
日本の伝統食は穀菜食である。それは歯の構成と消化酵素から裏付けられる。リフキンによれば、日本の伝統食こそが持続可能な人間生活と地球資源の保全に貢献する。そして、世界の国々に食習慣の規範を示すよう日本人に求めている。しかし、「灯台下暗し」というのか、皮肉なことに本家の日本で伝統食の価値が見捨てられてきた。
リフキンは牛肉消費文明の過ちを正す役割を日本人に期待する。「(日本人、特に若者が)伝統的な日本食を選択し続けることにより、自分自身の健康を守るだけでなく、環境の健康を守り、他の生物の命を守り、全人類のあいだで地球の恵みをより公平に分配することに貢献できる」(前掲書)
街のレストランのメニューは肉中心で、伝統食を商う外食産業は例外的である。調理師試験でも、伝統食や「身土不二の原則」を問われることはない。顧客の生命と健康にかかわる食のプロこそ、最高の職業人である。食のプロが、日本の伝統食の復活に果たすべき役割は限りなく大きいのだが。 (次回は29日掲載)
石沢文規(いしざわ・ふみのり) 北大文学部中国文学科卒。貿易会社専務などを経て91〜96年、道女子短大教授。札幌市北区北7西4、宮澤鋼業ビル地下1階で玄米食中心の食べ処「身土不二」経営。64歳。
(毎日新聞2004年1月15日朝刊)
阿修羅内参考リンク:【狂牛病や鳥インフルについて】食病めば、人病む【毎日新聞連載「よく食べよく生きる」】
http://www.asyura2.com/0401/health8/msg/325.html