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笹山登生の掲示板 http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi#6151 より転載
第一の話題は、http://msnbc.msn.com/id/4587520/ に見るように、昨日、USDAの Animal and Plant Health Inspection Service (APHIS)の責任者であるBobby Acord氏が、辞職したということだ。
辞職の表向きの理由は、家族の介護のためということらしいが、根底には、これからのBSE検査方針をめぐってのUSDAとの意見の食い違いがあると見られる。
これまでにも、Bobby Acord氏は、USDAのBSEの検査方針の変更に対して、強硬に、従来どおりの検査方針の続行を主張してきただけに、今回の突然の辞職の裏には、膠着状態を見せているに日本への牛肉輸出再開問題について、この辞任を機に、何らかの方向展開を図ろうとのUSDAの意図が、かいま見られる。
第二の話題は、3月17日のロイター報道で、USDAのディヘブン首席獣医師が、業界提案の「日本向け牛肉の民間企業による全頭自主検査」について、「民間企業による自主検査は、輸出や市場開拓が目的だが、われわれはこの種の提案を受けており、現時点で結論は出ていないが、評価・検討中だ」と述べた事に対して、http://www.forbes.com/business/newswire/2004/03/23/rtr1309284.html に見るとおり、昨日、Creekstone Farms Premium Beef が、USDAが、この提案を受け入れるかどうかについて、「非常に楽観的にとららえている。」と、コメントしたことだ。
これによると、Creekstoneの副社長のKevin Pentz氏によれば、ロイターに対し、「USDAとの交渉は、非常に早い速度で進んでおり、USDAの最終決断は、かなり早い機会にあるだろう。」と述べたという。
このCreekstoneのコメントにたいして、USDAのスポークスマンのAlisa Harrison氏は、「現在は、イエスともノーとも言える段階ではない。」としながらも、「検討中」との含みのあるコメントをしたという。
この業界提案の「日本向け牛肉の民間企業による全頭自主検査」をUSDAが受け入れる可能性は極めて高いと見られ、これによって、日本政府側の対応が固まれば、アメリカ牛肉の日本向け輸出再開は、大きく前進することになる。
以下は私の私見であるが、この妥協案は、日本が振りかざした「全頭検査論」の落としどころとしては、絶妙なゾーンを狙った案でもあるので、日本政府としては、この際、多少のダブルスタンダードの嫌いはあっても、これを受け入れ、日本の牛肉市場の正常化につとめるのが先決と思っている。
もともと、国内牛肉と輸入牛肉とは、清浄国よりの輸入に関しては、全頭検査と、非全頭検査とでの、ダブルスタンダードなんですから。
さらにいえば、これを、非清浄国に及ぼすのが妥当なのか、あるいは、将来、非清浄国になりうる国にも適用するのが妥当なのかという議論に過ぎないのですから。