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(回答先: オーストラリアの核施設 投稿者 かずや 日時 2005 年 4 月 13 日 20:49:37)
核廃棄物貯蔵施設建設の是非をめぐって揺れるオーストラリア(上)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20010209204.html
オーストラリア、ウーメラ発――サウスオーストラリア州の人里離れた砂漠地帯は、とにかく広大で、人影がなく、平坦で何の特徴もない場所だ――そのため、ハリウッドの映画製作者が映画『レッドプラネット』の中で、火星の撮影地として選んだくらいだ。
そして今、この特徴が、オーストラリア政府の目を引き付けている。もちろん、映画撮影地としてではない。
オーストラリア政府は、ここを核廃棄物の貯蔵施設として利用することを望んでいる。『アウトバック』と呼ばれるオーストラリア内陸部の地質学的にも安定したこの乾燥地帯は、あらゆる都市から相当離れた場所にある。今後何千年にもわたって平穏を保てる場所を探しているならば、ここはぴったりの土地なのだ。
しかしこの計画は、自然保護論者、アボリジニのグループ、そして広々としたアウトバックのこの世のものとは思われない美しさの中に住む居住者たちから反対を受けている。賛成派者と反対派は共に、多くの人が地の果てとみなすであろうこの一帯をめぐる闘争に備えている。
これまで何十年ものあいだ病院や各種研究所から低レベル核廃棄物が排出され、蓄積され、そして全国に無計画に保管されてきた。政府にとって、これを1つの場所にまとめるために、人里から遠く離れたサウスオーストラリア州は格好の場所だ。しかし反対派は、この計画は、より高レベルの核廃棄物の保管場所となる「糸口」になると見ている。低レベル廃棄物の貯蔵施設は、さらに大規模で有害な廃棄物の貯蔵施設にするための足がかりに過ぎないと反対派は見ているのだ。
アウトバックに低レベル廃棄物貯蔵施設を建設する場合、地下施設は、アメリカンフットボールの球場とほぼ同じくらいの大きさになるだろう。この施設が、イギリスのイングランド地方に匹敵するくらいの大きさの軍用地の中に建設されることになる。この軍用地の境界線から、最も近い大都市であるアデレードまでは、距離にして約430キロだ。
平坦で岩だらけの大地と、目が眩むほどの白い塩水湖が、廃棄物貯蔵施設の予定地を囲んでいる。そして、3つの小さな集落がその周辺に点在している。
1つ目の集落がウーメラ。軍のミサイル実験場がある眠ったような町だが、最近は違法入国者の収容所がある町として新たな活気を呈している。2つ目の集落はアンダムーカで、宝石としての価値があるオパールの発掘で稼ごうとする因習打破的な山師たちが住んでいる。3つ目はロクスビーダウンズで、隣接する銅山で働く人から成る企業の町だ。このような地域に好んで来る人はいないし、または偶然立ち寄ったとか、放浪の末にここに来たという人もほとんどいない。
「明らかに、ここは広大で隔絶した場所だ」と、オーストラリア政府のニック・ミンチン産業相の報道官は述べた。予定地は、全国のいくつかの地域を徹底的に調査した結果選ばれたと同報道官は語った。
しかし、反核活動家たちからすれば、この場所が「地の果て」にあるという議論は、論点をずらすものだ。彼らの目には、連邦政府が、アウトバックのような隔絶した場所を選ぶことで核問題を隠してしまおうとしているように映る。この「広大な空間」では、人々は真昼に直射日光を浴びないということについてはしっかりと訓練されているが、放射性廃棄物の扱い方は知らない、と活動家らは話す。
核廃棄物貯蔵施設建設の是非をめぐって揺れるオーストラリア(下)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20010213207.html
オーストラリアでは、長年の間に大量の低レベル核廃棄物が蓄積されている。その出所はさまざまで、病院や使われなくなった防衛設備、あるいは1960年代に各種研究所で行なわれた実験による汚染土壌などがそれにあたる。オーストラリアには、研究、医療、工業用に利用される放射性同位体(ラジオアイソトープ)を生成している原子炉が1つある。この原子炉から発生する核廃棄物は中レベルで、今後何千年、何万年にもわたり有害性を保ち続ける。現在稼動中の原子炉は老朽化しており、政府は新しい原子炉の建設を計画中だ。
つまり言い換えると、さらに大量の中レベル核廃棄物が発生することになる。古い廃棄物と新たに発生する廃棄物の貯蔵施設が必要となってくるわけだが、政府はいまだにその建設地を探している状態だ。政府による低レベル核廃棄物の貯蔵施設プロジェクトに反対している人々は、低レベル用の貯蔵施設が建設されることは、さらに有害な中レベル廃棄物の貯蔵施設を作る前段階にすぎないと考えている。
「2つのプロジェクトは根本的に結びついている」と語るのは、アデレードにある『オーストラリア自然保護財団』(ACF)。
ACFは他の反対派と同じく、核廃棄物は定期的な監視ができるよう、その発生源に隣接した場所で管理されるべきだと主張している。
対する政府は、低レベル核廃棄物の貯蔵施設の建設地にサウスオーストラリア州を選んだことと、原子炉から発生する中レベル核廃棄物の貯蔵施設の建設を決めたこととは、まったく別の問題であり、一切関連はないと話している。
「両方とも、それぞれにとって何がベストかを考慮した上で決定される」と、ミンチン産業相の報道官は述べた。
低レベル核廃棄物の貯蔵施設問題が「加熱」するにつれ、多くのグループが自分たちの意見を表明しはじめている。たとえば、貯蔵施設の建設に反対するアボリジニの女性グループは、コンピューターやHTMLに精通したウェブマスターたちと手を組み、『イラティ・ワンティ』というウェブサイトを立ち上げた。
このサイトの目的は、アボリジニの女性とその土地との深い絆を伝え、また1960年代、彼らの居住地から約500キロ西に位置するサウスオーストラリア州のマラリンガ地域で行なわれた、イギリスによる一連の核実験の経緯を紹介することだ。政府によるマラリンガ核実験場の汚染除去作業は、実験から約40年もの歳月が経過した昨年にようやく完了したばかりだ。
他の反対派らと同様に、アボリジニの女性たちも新たな核廃棄物はすべて発生源に隣接した場所で管理されるべきだと考えている。
「核廃棄物は遠くへ輸送するのではなく、科学者の身近なところで管理すればいいと言っているのだ。管理技術を持っていると科学者たちが自分で言っているのだから」と、イラティ・ワンティの広報は述べた。
しかし現在、増え続ける低レベル核廃棄物は、主にオーストラリア国内の都市部の大学や病院などで乱雑かつ場当たり的に保管されていると政府は言う。何かまともな解決策が必要だが、まさにアウトバックこそがその答えだというのが政府の見解だ。
はっきりしているのは、砂漠地帯の居住者と都市の科学者との間で戦いが始まろうとしていることだ。どちらに軍配が上がるかは、現時点ではまだわからない。
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