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03/22 16:10 「被害なし」も根強い不安 津波襲ったインドの原発
スマトラ沖地震から二十六日で三カ月。インド南部タミルナド州
カルパッカムのマドラス原子力発電所を襲った大津波は「想定外の
天災」(クリシュナムルティ所長)だった。「施設に被害はなく放
射能漏れもなかった」(同所長)が、高速増殖炉の建設現場付近で
女性作業員が一人、隣接する宿舎部分で雇員や家族ら三十七人が死
亡した。一時は百人以上の作業員が水死したとの情報が流れるなど
周辺住民の不安は根強い。
津波被災後、外国報道機関として初めて同原発を訪れ、当時の様
子などを追った。
州都チェンナイの南約八十キロ。海岸線に面した敷地に二十二万
キロワットの原子炉二基が建ち(一基は補修中)、商業用としては
インド初の高速増殖炉(五万キロワット)一基を建設中だ。
津波の襲来を受けた昨年十二月二十六日午前九時すぎ。コントロ
ール室の警報が鳴り海水の異常を知らせた。計器を見ていた担当者
が、ほぼフル稼働していた一基を手動で停止。所長ら関係者が続々
と現場に駆けつけたが、海面に近いポンプ室が浸水しただけで被害
はなかったという。
敷地は海面から約六メートルの高さに位置し、コントロール室な
ど主要部分はさらに二十メートル以上高い施設に設置されており「
次の津波にも問題ない」と関係者は口をそろえる。
高速増殖炉予定地では当時、約百メートル四方の大きな掘削現場
で約百五十人が作業中。責任者のプラバト・クマルさんは「海岸近
くの塀が波で押し倒されたのを見て無線機で作業員に避難を呼び掛
けた。海水が一角だけから流れ込んだので逃げる時間が十分あった
。幸運だった」と振り返る。
被災後、将来の津波やサイクロン(台風)被害に備えるため増殖
炉の床面を約一メートル高くし、海側の壁の補強も決めた。海岸に
は高波対策として、既に三万五千本の植樹を行った。
だが、地元で核兵器反対運動を続けるスリラマンさんは「百五十
人が生き埋めになったとの情報もあった。放射能漏れを指摘する人
もいた。当局は情報公開が不十分だ」と不信感を募らす。クリシュ
ナムルティ所長は「いろんなうわさが出回ったことは知っているが
根拠はない。事実を隠す必要など何もない」と疑惑打ち消しに懸命
だ。
津波の後、同原発から数キロの海岸で、八―十世紀ごろに津波と
みられる自然現象で沈んだ石造寺院が姿を現し地元で話題になった
。スリラマンさんは「原発が同じように水没の運命に見舞われない
と言えるのだろうか」と、予期できない災害への不安を口にした。
(カルパッカム共同=古池一正)
20050322 1610
[2005-03-22-16:10]
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