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原子力委員会が7日開いた原子力開発利用長期計画策定会議で、原発から出る使用済み核燃料の全量の再処理費用が直接処分した場合より1.5〜1.8倍割高であるとの試算が公表されたことに対し、東京電力の勝俣恒久社長は席上、「エネルギーセキュリティー(資源節約や安定供給)や地元への影響を重視すべきだ」と訴えた。電力業界は相次ぐ原発事故や試算隠しで守勢に立たされているが、原油高騰や地球温暖化対策を武器に原発安定稼働には再処理路線が不可欠として巻き返しを図ろうとしている。
電力業界は、青森県六ケ所村の再処理工場に2兆円以上を投資し、本格稼働を待っているが、稼働しない場合、使用済み核燃料は行き先を失う。地元からは「中止ならいったいどこで保管するのか。覚書に従って県外に持ち出してもらう」(三村申吾・青森県知事)とクギを刺されている。原発内の貯蔵プールが満杯になれば、原発停止に追い込まれかねない。
会議では、全量再処理や全量直接処分など四つのシナリオに分けた経済性の試算が示された。勝俣社長は「再処理と直接処分のコストが逆転する可能性は十分にある。コストは政策判断の決め手にならない」と主張した。直接処分路線を採用しても、処分場所が決まらないままでは、原発停止の可能性も出てくる。そうなれば、火力発電所の増設などで対応せざるをえず、直接処分路線を目指した方がコスト負担が大きいとの考えからだ。
原油価格が最高値を更新し続けていることも、電力業界には大きな援軍だ。勝俣社長は「1バレル=50ドルを超えても、日本が平静でいられるのは、石油危機を教訓に電源多様化や備蓄、省エネなどに取り組んできたからだ。原子力には省エネ効果があった」とも指摘した。
このほか、地球温暖化防止を目指す京都議定書が、ロシアの批准が確実になったことで、来春にも発効する見通しになったことを背景に、電力業界は「原発は二酸化炭素(C02)をほとんど出さない」として、再処理路線堅持を訴える方針。
ただ、電力業界も再処理のコスト負担の重さを認識している。全量再処理シナリオが想定している第2工場建設には及び腰。電力自由化が今後も進む中で「他業態との競争に打ち勝つには、巨額の追加投資で、経営を縛られたくない」というのが本音で、再処理路線推進に一層の国の関与を求めていく構えだ。
【高橋秀郎】
毎日新聞 2004年10月8日 0時07分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20041008k0000m020123000c.html