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原発の作業で被ばくし、骨髄がんの一種の多発性骨髄腫になったとして、大阪市西淀川区の元プラント建設会社社員、長尾光明さん(79)が東京電力を相手に、原子力損害賠償法に基づき、治療費や慰謝料など約4400万円を求める訴訟を7日、東京地裁に起こす。被ばくによる多発性骨髄腫での損害賠償訴訟は初めて。被ばくの危険性の説明を受けず、肉体的にも精神的にも苦痛を受けたなどと訴えている。
富岡労働基準監督署(福島県)は今年1月、業務と病気の因果関係を認め、労災認定していた。
長尾さんの放射線管理手帳などによると、77〜82年に福島第1原発(福島県)や浜岡原発(静岡県)などで配管工事や監督に従事し、被ばく量は計70ミリシーベルト(うち約60ミリシーベルトは福島第1原発)に達した。年間被ばく量は電力会社社員の平均に比べ3〜8倍、下請け労働者の平均の1・5〜3・5倍だった。東電側の指示に従って業務に従事すれば、被ばくの危険性は一切ないという趣旨の説明を受けたという。
長尾さんは98年に前歯や首の骨が折れ、兵庫医大から多発性骨髄腫と診断された。進行すると、全身の骨が溶け出し、さまざまな臓器にも障害が起きる。【大島秀利】
◇東京電力広報部の話
現段階ではコメントできない。
毎日新聞 2004年10月5日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20041005ddm041040098000c.html